プレスリリース配信元:ゲッティイメージズ ジャパン株式会社
60%の日本人が「身体障害のある人々が“日常の場面”で登場するビジュアルに注目している」
世界有数のビジュアルコンテンツクリエーターでありマーケットプレイスである Getty Images(本社:米国・シアトル、以下ゲッティイメージズ)は、ゲッティイメージズのビジュアルに関する消費者意識調査「VisualGPS」(*)に裏付けられた市場のニーズやトレンドをもとに、世界中の約60万人の契約クリエイターに対して撮影指導を行うことで、時代に合わせたコンテンツを提案しています。
*ゲッティイメージズは、世界的な市場調査会社である MarketCast 社と提携し、26 カ国 13 言語で 1 万人以上の消費者と専門家を対象に調査を行い、「今、求められているビジュアルコンテンツ」を具体的な数字とともに明らかにした「VisualGPS」と呼ばれるガイドラインを作成しています。VisualGPS の詳細情報はこちらをご覧ください。

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■デフリンピックが日本で初開催
耳が聞こえない、あるいは聞こえにくいアスリートの国際スポーツ大会「デフリンピック」が、11月15日に東京で開幕します。多くのアスリートの活躍が期待されていますが、日本で初めての開催となるデフリンピックについて、その認知度は低く、パラリンピックの 96%(参照:日本財団パラスポーツサポートセンター)に対して 39%(参照:東京都)にとどまっていることがわかっています。このギャップは、メディア露出の少なさや情報共有の不足、そして社会全体の理解の遅れを反映しているのではないでしょうか。
今回は、デフリンピック開幕に合わせ、障害のある方について、企業やブランドの写真や動画などのビジュアルコミュニケーションに焦点を当て、調査結果に基づいて、消費者からの共感が得られる表現方法について解説します。
■障害者が登場するビジュアルは 1%未満
VisualGPS調査によると、日本の消費者の約7割が「障害者をメディアで平等に表現してほしい」と考えています。また、87%が「障害のある人々にも平等な機会が与えられるべき」と回答しています。しかし、企業やブランドの広告などのビジュアルコミュニケーションにおいて、障害者が登場するビジュアルは全体の1%未満であることがわかっています。
またその多くは、車いすや義足など“目に見える障害”です。聴覚障害やメンタルヘルスといった「見えない障害」は、現実の多様性の一部であるにもかかわらず、ほとんど表現されていません。
また日本の企業やブランドが障害を表現する際の特徴として、「希望」「支え」「痛み」などの感情にフォーカスし、ケアやサポートを必要とする姿を描く傾向があります。これらのイメージはポジティブで温かい印象を与える一方で、「日常生活」や「自立した姿」を十分に表現していないのが現状です。
■企業やブランドに人気の「障害のある方」のビジュアルトップ 5

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希望希望というテーマは、しばしば自然の中で日差しに包まれながら、誰かが車いすを押しているビジュアルとして描かれます。ブランドは、楽観的で希望に満ちた未来を強調することを目的としています。しかしこのようなビジュアルは同時に、「希望に満ちた未来」を実現するためには、高齢の障害者が他者に依存しなければならないという側面も反映しています。

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サポートサポートというテーマは、手をつなぐ、腕を組む、杖を使う人を支えるといったビジュアルで
よく表現されます。ブランドは、これらの手のしぐさをクローズアップで見せることで、サポー
トだけでなく「思いやり」や「つながり」も伝えようとしています。

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ストレスストレスは、恐れ、不安、悲しみといった感情を表現するために、顔を隠したり、感情的に落ち込んで一人で座ったりしている若者のビジュアルで描かれることが多いです。このようなビジュアルからは、日本の企業やブランドが精神的な障害を、実際の幅広い現実ではなく、主に若年層が直面する課題として描く傾向があることがうかがえます。

痛み痛みは、膝や耳の後ろなど、身体の一部に触れたり押さえたりするしぐさを通じて不快感を強調するビジュアルで描かれます。これらのビジュアルは一時的な身体的障害に焦点を当てており、ブランドは人々が感じる即時的な痛みや困難を強調しています。

ケアケアやプロフェッショナリズムは、病院や介護施設で介助者が患者をサポートする様子や、施設の前で患者とスタッフが一緒に写っているポートレートといったビジュアルで表現されます。これらのビジュアルは、介助者のスキルと障害のある人々への支援を強調しています。しかし、描かれるのは「依存」を中心としたシーンであり、障害の種類ごとに異なる日常生活の多様な姿や、必ずしも依存が主題ではない現実までは十分に表現されていません。
■多様かつリアルに描いたビジュアがポジティブなインパクトを生む
このように、企業やブランドが障害のある方をビジュアルで表現する際には、1)高齢者が家族や介助者、車いす、杖などのサポートを必要とする姿 2)若者がストレス、不安、恐怖といった感情による身体的・精神的な痛みに直面している姿―を描いていることがわかりました。つまり、障害者の「若い頃に痛みを抱える姿」か「高齢になって支援を受ける姿」が描かれており、障害者として生きる「中間のライフステージ」は描かれていません。実際に、VisualGPS 調査結果によると、83%の日本人が「身体障害のある人々が“日常の場面”で登場するビジュアル」を「時々しか見ない」または「見たことがない」と回答しています。
一方で、60%の日本人が「身体障害のある人々が“日常の場面”で登場するビジュアルに注目している」という結果も出ています。また 68%の消費者が「さまざまな能力や特性を持つ人々がメディアや広告に登場することで、相互理解にポジティブな影響を与える」と回答しています。障害のある人々を多様かつリアルに描いたビジュアルを発信することで、消費者との間に信頼や共感を築くことができます。また、企業のCSRやSDGsへの真摯な取り組みを自然な形で伝えることにもつながります。特に、聴覚障害やメンタルヘルス領域の可視化はまだ非常に限られているため、それらを取り入れることでブランドとしての差別化が可能です。
■企業やブランドが障害者をビジュアルで表現する際のポイント
では、企業やブランドが障害のある方をビジュアルで表現する際にはどういう点を考慮すると良いのでしょうか。障害のある人を描く際は、日常の豊かさや多様なライフスタイル、主体的な希望や誇りをリアルに表現することが重要です。
1.日常生活とつながりを描く
リハビリや治療といったシーンに限定せず、友人や家族、仲間と過ごす中で感じる喜びや笑顔、笑いといった日常の豊かさを表現してください。「見えない障害」を含む多様な障害について、日常の中でどう課題に向き合っているかを描くことが重要です。
2. 年代・アクティビティの多様化
障害のある若い世代が、ゲーム、ライブ配信、ファッション、コスプレなどの今のライフスタイルトレンドを楽しむ姿を描き、障害が「特別なこと」ではなく、生活の一部であることを強調してください。
3. 本当の「希望」と「前向きさ」を描く
希望や前向きさを、他者への依存や支援と同義にしないでください。進歩や自己決定、日常生活の中での達成感といったシーンを通じて、希望を表現しましょう。仕事、スポーツ、アート、社会活動に主体的に参加する姿や誇り・専門性を描き、補助具やテクノロジーが登場する場合も、「支援が必要な人」としてではなく、その人のスキルや選択を主軸に描くことがポイントです。

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■VisualGPS 調査概要
ゲッティイメージズの VisualGPS リサーチは、厳密な方法論に基づいて実施されています。このリサーチは、ビジュアルコンテンツや広告分野の60名以上の専門家によるビジュアル分析に、文化的インサイト、ゲッティイメージズおよび iStockの独自の検索・ダウンロードトレンド(年間27億件以上の検索)を組み合わせ、さらに250を超えるトピックを対象とした継続的なグローバル調査を通じて得られる消費者の視点を統合しています。世界的な調査会社 MarketCast とのパートナーシップのもと、このプラットフォームは過去5年間にわたり、消費者ニーズの変化を継続的に追跡してきました。
これらの調査によって得られる消費者インサイトは、各回18歳以上の5,000~7,500 人を対象とし、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、日本、イギリス、アメリカなど25の主要市場を網羅しています。
ご取材対象者
<VisualGPSやビジュアルインサイトに関するご取材>

▼Getty Images/iStock APACクリエイティブインサイト マネージャー 梅田律輝(うめだ・りつき)東京を拠点に活動するビジュアルリサーチャー。Getty Imagesおよび iStockにて、ビジュアルインサイトの発信を通じ、顧客とエンドオーディエンスをつなぐコミュニケーションを支援している。これまでデータ分析、コンテンツ戦略、ブランドキャンペーンの実行を専門とするマーケターとして培った経験を活かし、ビジュアル選定の動機やビジュアル言語の変化を多角的に分析。アジア太平洋地域のブランドが、より効果的で魅力的なビジュアルコミュニケーションを実現できるよう導いている。
ゲッティイメージズとは
ゲッティイメージズは、世界有数のビジュアルコンテンツクリエイターおよびマーケットプレイスとして、世界中のあらゆるニーズに応じた幅広いコンテンツソリューションを提供しています。ゲッティイメージズ、iStock、Unsplashのブランド、ウェブサイト、APIは、世界最高のフォトグラファーとビデオグラファーによる力強いビジュアルコンテンツを検索、購入、共有するための第一拠点として、世界各国のお客様に利用されています。約60万人のクリエイターと350以上のコンテンツパートナーと共にパワフルでインクルーシブなコンテンツを配信。毎年16万件以上のニュース、スポーツ、エンターテイメントイベントをカバーし、類を見ないほどの豊富な報道を提供しています。また、ゲッティイメージズは世界最大かつ最高レベルの民間所有アーカイブ写真を保持しており、写真創世記にさかのぼる画像の数は数百万枚にわたります。
ゲッティイメージズは、最高品質クリエイティブライブラリーとカスタムコンテンツソリューションを通じて、お客様の創造性を高め、エンドツーエンドのクリエイティブプロセス全体を支援、あらゆるニーズに適したビジュアルを提供します。ゲッティイメージズと iStockの顧客は、許可されたコンテンツと無制限の補償、永続的かつ世界的な使用権に基づいてトレーニングされた生成 AI 技術とツールの採用・配給により、テキストから画像を生成しアイデアを練り、商用的に安全で魅力的なビジュアルを作成することができます。
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データ提供 PR TIMES
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