卵の価格高騰が続く中、長期保存が可能な「加工用卵」が注目されている。凍結卵や乾燥卵は賞味期限が最大18カ月と長く、飲食店でも活用が進んでいる。鳥インフルエンザによる供給不安の中、安定した価格で提供できる点が評価され、一般家庭へも普及する可能性がある。
2023年「エッグショック」に迫る高値続く
卵の価格の高止まりが続く中、長期保存が可能なある卵が今、注目されている。

JA全農たまごによると、東京の卵1kgあたりの平均卸売価格はMサイズで330円。
「エッグショック」と呼ばれた2023年の350円に迫る高値が続いている。

11月に入ってからは、北海道・恵庭市や新潟・胎内市の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が相次いでいて、今後、さらなる卵の供給不足も懸念されている。

こうした中、卵の安定供給の鍵として注目されているのが「加工用たまご」だ。

卵の中身を低温で凍らせた「凍結卵」や粉末状にした「乾燥卵」は、賞味期限が最大で18カ月と長期保存が可能となっている。
加工用卵で作ったカルボナーラ「卵がすごくクリーミー」
東京・表参道周辺の飲食店9店舗では5日、11月5日の“いいたまごの日”に合わせて、加工用卵を使ったメニューが期間限定で提供されていた。

「Cafe Madu AOYAMA」では、ゆでたパスタに凍結卵を解凍した卵と粉末状の卵黄を加え、コクのある味わいを楽しめるカルボナーラを提供。

Cafe Madu AOYAMA・藤原智康シェフ:
通常のカルボナーラの生の卵黄よりも、水分量が少ないので濃くできる。それが良い点かなと思います。
加工用卵で作ったカルボナーラはどのような味なのか。
試食した取材スタッフによると、「卵がすごくクリーミーでとてもおいしいです。加工卵を使っているような感じの違いは特にありません」という。

加工用卵は保管スペースが小さくて済むこともメリットだという。
Cafe Madu AOYAMA・藤原智康シェフ:
業務用となると卵10kg箱、1箱10kg入る箱を使っている。それが10分の1ぐらいにスペースが小さくなる。すごくありがたい。
メーカー直売店やネット通販で購入可能
一方、「俺のフレンチ・イタリアン青山店」では、加工用卵とアーモンドのソースを使った、鶏もも肉の煮込み料理が提供されている。

これから年末の繁忙期に向けて、鳥インフルエンザなどにより卵の供給が不安定になった場合でも、加工用卵は安定した価格で購入できることがメリットだという。

俺のフレンチ・イタリアン 青山・秋田一弥料理長:
卵は生ものなので、日々値段は変動していますので、商品の売価は日々変えるのは難しいので、その意味だと凍結卵黄、乾燥全卵だと一定の価格で卸してもらえる。売り上げに貢献できていると思う。

加工用卵は業務用が中心だが、一般家庭でも鶏卵加工メーカーの直売店やネット通販などで購入できるということで、今後、普及していくかもしれない。
(「イット!」11月5日放送より)
