1万人超える警察官が働く福岡県警。その中で柔道女子63㎏級で2028年のロサンゼルス・オリンピック出場を目指す女性警察官を取材した。

“ロス五輪”目指す女性巡査長

福岡県警教養課、青野南美巡査長(25)。世界的な活躍が期待される全日本柔道連盟のオリンピック強化選手にも指定されている福岡県警が誇る柔道界のホープだ。

青野さんは、女子63㎏級の選手として数々の大会に出場し、2024年の全日本選抜体重別選手権で優勝。2025年2月の国際大会、グランドスラムでは、準優勝に輝いた。

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青野巡査長を学生時代から支えてきたのは、シドニーオリンピック銅メダリストの日下部基栄さんだ。(日下部さん:女子57キロ級)当時は、福岡県警の警察官としてオリンピックに出場。

シドニー五輪銅メダル 日下部基栄さん(当時)
シドニー五輪銅メダル 日下部基栄さん(当時)

現在は、福岡大学女子柔道部の監督を務めている日下部さん。中学・高校時代、全国大会には出場するものの、優勝には届かなかった青野さんの素質に目をとめ、福岡大学への進学を勧めたと話す。

「この子は、絶対に強くなる。実技面で良かった訳じゃなかったのですが、何か光るものがあって…」と日下部さんは、当時を振り返る。

現役時代、大外刈りなどのパワフルな技を積極的に仕掛けて、相手を圧倒する超攻撃型の選手だった日下部さんの下、着々と実力をつけた青野さん。大学4年の全日本学生柔道体重別で全国2位となったが、優勝はできず、卒業後の進路を迷っていた際、「『柔道を続けられる環境は当たり前じゃないので、頑張ってみてもいいんじゃない?』と日下部さんに言ってもらえて…。頑張ってみようかなと思いました」と日下部さんと同じ福岡県警で警察官となる道を選んだ。

11月1日から、2025年度後期の全日本強化選手の選考と『グランドスラム東京2025』をはじめとする国際大会の日本代表選手の選考を目的とした『2025年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会』が始まる。青野さんは、「厳しい試合が多くなると思うが、最後まで気持ちを切らさず、しっかり戦って優勝したい」と気持ちを引き締める。

3年後のロサンゼルスオリンピックに日本代表として出場し、世界の頂点に立つ。若き女性警察官の挑戦は続く。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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