今が旬のサツマイモ。
近年、品種改良によって様々な種類が市場に出回っています。
尚絅学院大学の高橋教授によりますと、栄養素が豊富で、特に加熱したサツマイモは食物繊維が多く含まれ、腸内環境を整えるのにもオススメの食材。
健康志向の高まりとも相まって注目されるようになったといいます。
焼き芋はもちろん、スイーツや料理など様々な形で親しまれています。
宮城の新たな特産品にと、サツマイモを育てているところがあります。
この農園は障がい者の雇用を支援する団体が福祉と農業の担い手不足を解消する「農福連携事業」の一環として運営しています。
昨年度から5種類のサツマイモを栽培しています。そのうちの一つが・・・
一般社団法人こねくとラ・フレーズ代表理事 芦田信也さん
「ここでは仙台金時を栽培しております。」
高橋咲良アナウンサー
「宮城らしい名前のサツマイモですね。」
仙台金時の畑へ案内していただきました。
芦田信也代表理事
「こちらが仙台金時となりますね。ではですね、埋まっているところを入ってみたいと思いますね。」
高橋咲良アナウンサー
「出てきました。こちらですね。たくさんついていますね。」
高橋アナも掘らせてもらいました。
高橋咲良アナウンサー
「サラサラですね、土。」
芦田信也代表理事
「そうですね。砂地ということですごくサラサラとして水はけがいい」
高橋咲良アナウンサー
「出てきました。」
芦田信也代表理事
「いいサツマイモの形だと思います。」
高橋咲良アナウンサー
「本当ですか。かわいらしい」
芦田信也代表理事
「元々はウイルスフリーという病気に強い苗から苗を作っていきまして、それが金時芋なんですけども、この地域、北釜地区はですね、昔からサツマイモの栽培とかメロン栽培をしておりました。で、震災後ですね、また(他県から持ち込んだ苗を使って)サツマイモの栽培を始めたところでですね、現在この近くの農家6名とですね、あと我々の方で仙台金時を作っております。」
仙台金時は2012年頃から別の事業者が塩害に強い作物として、震災復興の一環で苗を持ち込み、栽培をスタート。
認知度も高まってきていましたが、その事業者による農園の運営が困難になり、仙台金時の栽培が危機に。そこで手を上げたのが芦田さんでした。
芦田信也代表理事
「仙台金時を加工している会社さんであったりとか、お客さんですね、そういった方からの声もありましたので、途絶えることなく行っていきたいところで、うちがですね、ぜひ栽培にも取り組んでいきたいということで、今2年間取り組んでるような状況となっています。」
芦田さんたちの団体は、前の事業者から農地を引き継ぎ、昨年度からサツマイモ栽培を本格化。
さらに仙台金時の付加価値を高めるため、施設の改装も行いました。
サツマイモに付いた傷などを修復させる、キュアリングの設備や低温で保管できる貯蔵庫をそろえました。
ここで保管することで、熟成が進み、よりまろやかな味わいに。
こうして1カ月ほど熟成させた仙台金時は、各地に出荷されます。
仙台金時、どんな味なのか焼き芋で試食しました。
高橋咲良アナウンサー
「仙台金時、こちらの焼き芋早速いただきます。綺麗な黄色ですね。」
芦田信也代表理事
「そうですね。こちらはホクホクとした感じが特徴となりますね。」
高橋咲良アナウンサー
「確かにホクホク感、栗のような甘さですね。上品。舌触りかなり滑らかでいいですね。」
芦田信也代表理事
「この舌触りの性質の特徴が仙台金時の特徴となりますね。」
仙台金時は加工品とも相性抜群。
焼き芋を使ったパイやマフィンなどを作っています。
また、名取市閖上にあるカフェでは仙台金時をクレープに使っています。
煮崩れしにくい特徴を生かし、甘く煮た金時とサツマイモクリームを一緒に包みます。
同じく旬の栗と一緒に一口ごとに秋を感じられる期間限定のメニューです。
株式会社GRA 橋元洋平さん
「芦田さんを筆頭に利用者さんが一生懸命手入れしている様子を我々も見ていましたし、味もふっくらして大きくホクホクとして、好評なんですね、お客さんにも。この時期使ってよかったなと思いました。」
「質と量をまず高めながら、いろいろな方が、いろんな形でサツマイモを食す機会と、味わい方を提供できればなと思っております。」
ホクホクして上品な甘さの「仙台金時」は、10月下旬が収穫真っ盛りで、熟成をして11月中旬から宮城県内のスーパーマーケットで販売されるということです。
旬のサツマイモですが、11月1日から3日間、仙台では、そのサツマイモに特化したイベントも開かれます。
その名も「仙台おいも万博2025」。サツマイモを満喫できるフードフェスです。
様々な品種の焼き芋の食べ比べやさつまいもグルメ・スイーツなど全国各地の人気店が集まるということです。
11月1日から3日間青葉区の錦町公園で開かれます。