秋田県内ではクマの人的被害が相次いでいて、28日までに2人が亡くなっているほか、53人がけがをしています。こうした中、負担が大きくなっているのが各市町村で駆除にあたる猟友会の会員です。鈴木知事は29日の県議会総括審査で、猟友会に対して捕獲した頭数に応じた慰労金の支給を検討していることを明らかにしました。
県内ではクマの出没が相次ぐにつれ、駆除件数も増加しています。2025年度はすでに1000頭以上が駆除されていて、前年度の2.5倍に上っています。
こうした中、負担が大きくなっているのが駆除に当たる猟友会の会員です。捕獲用のおりの設置や見回りに加え、捕獲したクマの運搬や解体などの作業が大幅に増えています。
29日の県議会総括審査では、委員が猟友会の負担を減らすための施策についてただしました。
自民・高橋豪委員:
「2023年に秋田県でもクマ1頭当たり5000円の慰労金制度をつくって対応したケースがあったが、こうしたものも検討に値すると思うがどうか」
鈴木知事:
「2023年に2000頭を超える駆除をして、そのときの猟友会の負担も大変だったということで慰労金の支給も行っている。今年度、それよりも楽だったということはありえないと思っている。同様のことを現時点で12月補正に向けて検討している」
鈴木知事はこのように述べ、猟友会への慰労金の支給を12月議会の補正予算案に盛り込む方針を示しました。
また、国は狩猟免許や知識を持つ自治体職員「ガバメントハンター」などによる捕獲者の確保に取り組む方針を示していますが、鈴木知事は「現行の制度ではできない部分もある」とした上で、猟友会頼りになっていることについて言及しました。
鈴木知事:
「私人たる猟友会の方に、その立場において手伝ってもらって、あのような危険で責任の重い仕事をやってもらっている現状に無理があると認識している。国には本腰を入れた、今までと違う有害鳥獣に対する対応策を検討してもらいたい」
鈴木知事は28日、小泉防衛相に自衛隊の派遣を要望していて、協力してもらう期間や具体的な内容については「現在検討している」と述べるにとどめました。