インターネット上に構築された仮想空間、メタバース。メタバースを活用して小児がんなど、希少がん患者同士が交流し、孤独感を解消する取り組みが岡山大学で進められています。

ゴーグルをかけると目の前に広がるのは仮想空間、メタバースの世界。自分の分身である「アバター」が出現し、自由に動いたり、メタバースの世界を楽しむことができます。

このメタバースを活用して小児がんなど、希少がん患者の交流の場を作る取り組みが進められています。開発したのは医師で、岡山大学の長谷井嬢教授のチーム。若い世代に多い、骨肉腫など希少がんと闘う患者が抱える不安や孤独感を間近で感じていました。

(岡山大学 長谷井嬢教授)
「珍しい病気であっても、どこかに同じ病気、世代で闘う人がいる。患者同士が話す場を作ることで、前向きに治療に向き合うことができるのではと思い考えた」

長谷井教授は、3年前から病院への周知や環境整備を進め、現在は、全国22の病院で導入され、月に3回、交流会が開かれています。交流をきっかけに新しい出会いがあったり治療に前向きになったという患者も多いと言います。

さらに支援の輪を広げようと2025年8月から行っていたクラウドファンディングは10月28日に目標金額を達成しました。

(岡山大学 長谷井嬢教授)
「同意してくれる人がこれだけ多くいることはとてもうれしい。小児がんの代表的な治療施設は日本に約200カ所あり、数が多く分散している。どの病院でも治療を頑張る患者さん同士が話せる環境を整備したい。」

治療のため、病棟の外に出ることができなくても、外見が変わってしまってもアバターなら気兼ねなくメタバースで交流できる。支援の輪は広がりを見せています。

岡山放送
岡山放送

岡山・香川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。