10月28日、新潟県議会で開かれたのは、県の昨年度の企業会計決算を審査する特別委員会。県立病院事業などが議題となりました。
【県病院局 金井健一 局長】
「患者数に見合った病床削減を進めるとともに、経費削減、あるいは各病院の経営力の底上げにこれまで以上に危機感を持って尽力している。しかし、結果として物価高騰や人件費の上昇の影響がそれを上回り、過去最大の赤字という…」
県立病院が昨年度、過去最大となる46億円の赤字を計上した背景についてこう説明した県病院局の金井健一局長は、昨年度、全国の病院のうち約6割が赤字だったことに触れ、厳しい現状について報告しました。
県病院局では県立病院の病床の削減や診療報酬の改定に向けた国への働きかけを行っていますが、委員からは厳しい指摘の声も。
【与口善之 県議】
「不採算のところをカバーするのが県立病院公立病院の役割だと思うが、医療が持続するためには経済性もしっかりやっていかなければ」
【石井修 県議】
「1億、2億儲かりました、損しましたなら分かる。何十億もなんで赤字が出る?積算していないということじゃないか、計算していないということですよ」
金井局長は物価上昇率が3%に上る中、診療報酬改定による収入の増加は約1%にとどまり、その差の2%分を病院側で負担しているとしたうえで…
【県病院局 金井健一 局長】
「公定価格で決められているものだから、全く価格転嫁ができないという構造的な欠陥がある。国から補填されている金額がやはり実態に見合っていない」
県病院局は引き続き国に対する要望活動を強化するとともに、関係者と調整を図りながら病院の経営改革を進めるとしています。