戦後80年の2025年、南国市主催で戦争の企画展が開催されています。もの言わぬ証言者が私たちに多くのことを語りかけてきます。

「地域交流センターみあーれ」で先週末から始まった企画展は、南国市所蔵の戦争に関わる品物や市民から公募した遺品など約70点が展示されています。戦地の兵士から家族にあてた手紙が並ぶコーナーで、高齢の女性がある手紙をじっと見つめていました。

南国市在住・坂本瑳彌子さん(87):
「これは私の名前です。父から私に…遺書ですね」

南国市在住の坂本瑳彌子さんは3歳頃に父が出征し父の記憶はないと言いますが、娘への最後の手紙を大切にしてきました。

父の遺書:「瑳彌子さん、お前の太きく成るの世話は出来なんだが良い母良い姉がお前にはついて居るので安心して父さんはいきます」

坂本さんの孫・浜渦繭佑吏さん(23):
「(祖母が)よく見せてくれてた大切な箱に保管されてて。それを毎回見せて、お父さんからって。見せられる度に(戦争で)失うものがすごいたくさんあって悲しいなと思います。平和になればいいと思います」

こちらは南国市に7基残っている戦争遺跡・掩体の模型。掩体は空襲から軍用航空機を守るための格納庫で、その模型を作ったのはプラモデル作りが好きな高校生の青木伸親さんです。掩体に興味を持ったのは趣味の延長でしたが、模型を作る過程で掩体を作るために農民がかり出されたことや特攻機が出撃し多くの人が戦死したことを知りました。

山田高校2年・青木伸親さん(16):
「昔戦争があったってことを忘れないために伝えていくのが大事だと思っている。掩体の展示を通して戦争があったってことを知ってもらえる人が一人でも増えたらうれしいです」

この「戦争企画展」は11月3日まで南国市の「地域交流センターみあーれ」で開かれています。

高知さんさんテレビ
高知さんさんテレビ

高知の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。