3年前、安倍元総理を銃撃し、殺害した山上徹也被告の裁判員裁判が始まり、午後5時17分に終了しました。
裁判を傍聴した岩橋裕介記者の解説です。
■「なぜ安倍元総理が狙われたのか」
(Q:山上被告は法廷に入った時に疲れた様子を見せていたようだが、その後の変化は?)
【岩橋記者】「その後も裁判中は両肘をついて資料を眺めるなど、終始疲れていた様子を見せていました」
(Q:今後の裁判の注目点は?)
【岩橋記者】「宗教被害が争点になるのは間違いありませんが、そのうえで、なぜ安倍元総理が狙われたのかということに注目しています。
母親が巨額の献金を教団に行い、一家が家庭崩壊に至った恨みがなぜ安倍元総理に向かったのかは、まだわからない点が多いです。
山上被告は安倍元総理が送ったビデオメッセージを見て、『教団と繋がりがあると思った』と供述していますが、なぜ教団そのものではなく、安倍元総理を標的にしたのかはまだ判然としていません」
■今後の裁判のスケジュールは
(Q:今後の裁判はどのようなスケジュールで進むのか)
【岩橋記者】「1つ目の注目ポイントは、11月に行われる被告の母親の証人尋問です。弁護側の証人として出廷する予定ですが、旧統一教会の現役の信者でもある被告の母親が、何を語るのか注目されています。
2つ目は、来月から始まる被告人質問です。山上被告本人から語られる動機についても注目したいと思います」
■「この事件によって明らかになったものがあまりにも大きい」浜田敬子さん
裁判の判決は来年の1月21日に言い渡される予定です。事件によって様々な問題が浮かび上がってきました。
【浜田敬子さん】「何が理由であれ、こういった凶行によって人の命を奪うということはあってはならないわけですけども、この事件によって明らかになったものがあまりにも大きいですよね。
信者の方とか弁護士の方はずっと被害を訴えてきたにもかかわらず、社会がなぜ受けとめてくれなかったのか。まだ被害救済は続いていますし、政治と教団の関係についても、前から指摘されていたことが、なぜメディアがきちんと取材ができていなかったのか。そして今、きちんと全部解明できているのか。
今の動きとしては、韓国でユン前政権と韓鶴子総裁の関係で(韓鶴子総裁らが)逮捕されています。韓国での裁判によって、新たな事実がまだ出てくる可能性もあると見ています」
■「山上被告の生い立ちや宗教虐待といえる実態 母親の証言に注目」
【浜田敬子さん】「検察側の主張としては、これは非常に残忍な計画性の高い殺人事件だという主張ですけど、通常の殺人事件の場合でも動機の解明はすごく大事になるわけです。山上被告の生い立ちや宗教虐待といえる実態は、(山上被告の)母親が証言をするということで、非常に注目されると思います。
事実に関して、殺人に対して認めると言っているにもかかわらず、18回審理をするので、動機や、なぜ教団ではなく安倍元総理だったのか。ここが飛躍しているので、どう本人の口から語られるところが注目だと思っています」
(関西テレビ「newsランナー」 2025年10月28日放送)