愛知県豊川市で10月25日、150人が集まって一斉に演奏する音楽ライブが開かれました。イベントを企画した母の思いと、その思いに共鳴した仲間たちを追いました。

■息子亡くした女性がイベント企画「絶対喜んでくれるだろうなと…」
10月25日、豊川市の赤塚山公園で企画された「音降る山フェスティバル」。一般の音楽好きが、プロのバンドと一緒に曲を演奏できるイベントです。

主催したのは、市内の工務店に勤める青野佳織さん(54)です。
青野さん:
「豊川の子供たちに、音楽を身近に感じてほしい」

青野さんがこのイベントを企画したのには、“あるきっかけ”がありました。
青野さん:
「22歳の息子が亡くなってしまって、まだ1年たっていなかった頃、何もする気にならなくて、どうしようかなと思っていた時だったんですけど。息子もドラムを友達から譲ってもらってやろうとしていたり、にぎやかなことがすごく好きだったので、もしいたら『こんなことやろうと思うんだけど』と言ったら、絶対に喜んでくれるだろうなと思ったので」
参加者300人を目指し、誰もが主人公になれるステージを作ることになりました。
■会場変更も約150人が集まり“にぎやか”に…
しかし、25日の天気はあいにくの雨…。会場では撤収作業が進められました。
ところが、近くのイオンモール豊川を急遽、会場にすることに。もともと、サテライト会場として子供向けの催しを予定していた場所で、急な変更にもかかわらず、およそ150人が集まりました。

愛知を拠点に活動するバンド「スーパー登山部」が指揮を取ります。

ショッピングモールのため音量制限もありますが、ドラムは段ボールでリズムを刻み、盛り上げました。

参加者ら:
「楽しくできたので良かったです」
「音楽の力はすごいなと、改めて実感できるイベントだなと」
「自分だけの演奏じゃないので、楽しい方が多かったですね」

青野さん:
「楽しかったです。(息子は)どう思っていますかね。『晴らしてよ!』ってずっと言っていたんですけど、なかなか意地悪なやつで。でも、結果こういう形にさせてくれたのかもと思ったり。(来年も)挑戦したいです」
