10月27日午前、岩手県一関市の住宅の敷地で、この家に住む67歳の男性の遺体が見つかりました。
近くでは飼い犬が死んでいるのも見つかり、警察はクマに襲われたとみて調べを進めています。
増子智絵美記者
「向こうの家でクマに襲われたとみられる遺体が見つかりました。警察が遺体が倒れていたとみられる現場付近を調べています」
27日午前10時半過ぎ、一関市厳美町の無職・佐藤富雄さん(67)と連絡がつかないと佐藤さんの親族から警察に通報がありました。
警察が現場に向かったところ、自宅の庭で死亡している佐藤さんと、そのそばで死んでいる佐藤さんの飼い犬が見つかりました。
警察によりますと、佐藤さんの遺体には爪痕や咬まれた傷があったほか、付近では連日、クマの目撃が相次いでいたことから、佐藤さんと犬はクマに襲われたとみています。
猟友会などが対応にあたっていた中、現場では午後2時前、銃声が響きました。
猟友会が箱わなを設置していたところ、佐藤さんの飼い犬が死んでいた場所に、1頭のクマが現れたことから銃によって駆除しました。
市によりますと、駆除されたクマはオスで体長1.5mほど、体重は約70kgで歯の状態から4歳前後と推定されるということです。
この現場の近くでは10月22日、別の住宅でも飼い犬がクマに襲われて死ぬ被害が発生しています。
市は佐藤さんの遺体の近くから見つかった動物の毛と、27日に駆除されたクマのDNA鑑定などを進め、同じ個体かどうかを調べるとともに、10月22日に犬を襲ったクマとの関連も調べています。
佐藤さんがクマに襲われたと認定されると2025年の岩手県内のクマによる犠牲者は5人となります。