今回の宮城県知事選挙では、SNS上で候補者に関する真偽不明の情報や誹謗中傷が飛び交う事象も見られました。専門家は「思い込みに注意する必要がある」と話します。

宮城県 村井知事
「私が言っていないこと、そういうようなことが広まっていって、県民の皆さんと接していても、『売国奴』と言われたり、『メガソーラーやるんだろう』と言われたり、『土葬をまたやるんだろう』と言われたり、『そんなことありません』と否定してもですね、信じてもらえないんですよね」

険しい表情で選挙戦を振り返る村井知事。選挙期間中、SNS上には候補者に関するデマや根拠が分からない情報が飛び交いました。

こうした情報から飛び火する形で、候補者の街頭演説が妨害される事態にもなり、村井知事は選挙活動の日程の公表を控えるようになったと言います。

宮城県 村井知事
「できれば、1人でも多くの方に来ていただきたい、聞いていただきたいというのはあったが、残念ながら、今回はそういうことができなかったです。これもSNSの影響ですね」

一方、こうした状況について、和田氏を支援するため、何度も県内入りした参政党の神谷代表は…。

参政党 神谷宗幣代表
「選挙って皆さん、攻撃し合いながら、不正確な表現ありますよ。ちょっとぐらい。それはお互いやっているわけですよ。今はネットで可視化されているけど、昔から選挙の時は流言飛語が飛び交うわけです。嘘やデマが飛び交うわけですよ。なんで、現職の知事が攻撃されると、そうやってデマだと言うけど、なんで神谷宗幣とか和田政宗のことをデマだと言ってくれないんですか、おかしい!おかしいよ!」

全国的な注目を集めた今回の県知事選挙。

SNS選挙に詳しい専門家は「個人のSNSの影響が色濃く出た選挙だった」と振り返ります。

JX通信社 米重克洋代表
「誰でも発信ができるという、個人が政治や選挙についてどんどん発信をし、またそれが一定程度、世論形成に影響を与えていくという、そのあたりが特に2024年以降は非常に選挙ではっきりと、結果や傾向が出てきたわけですよね。そうするとやはり一人一人がSNSで声を上げるとか、投稿することが無駄ではないんだと、時に大きくに拡散されたりして、選挙結果に影響を及ぼすことができるんだと。こういう認識を持つ投稿者がすごく増えたと思う」

去年、総務省が年代ごとに主なメディアの平均利用時間を調べたところ、50代以下は「ネット」が「テレビ」を上回り、最も多くなりました。

専門家は全てのメディアにおいて、「思い込みに注意する必要がある」と話します。

JX通信社 米重克洋代表
「1つは『確証バイアス』。もう1つが『敵対的メディア認知』。この2つがキーワードだと思います。確証バイアスは自分の考えに合う情報をより正確だと評価しやすい心理的なバイアス。これはどんな人も一定持っているが、インターネット、SNS上で自分の意見に合う情報、または自分で見つけた情報こそ、正しい情報だというふうに思いたい。もう1つは敵対的メディア認知で、これは確証バイアスと若干連なってる部分はあるが、中立的な報道であったとしても、それが自分の考えに合わない情報、あるいは意見と違う情報であると、右とか左に偏っているとみなしてしまう。これもそういう心理的な傾向がある」

一方、村井知事は10月27日の会見で、選挙期間中のファクトチェックを行う第三者機関の設置を検討するよう、幹部会で指示したことを明らかにしました。

仙台放送
仙台放送

宮城の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。