沖縄県内の河川などで有機フッ素化合物・PFASが検出されている問題で市民団体が27日、米軍基地への立ち入り調査などを求めて県に公害調停を申請しました。
また、PFASの濃度が基準値を上回っているとして米軍が北谷町に浄化した水の供給を要請している事がわかりました。
PFASの問題の解決に取り組む宜野湾ちゅら水会などの市民団体は、防衛省や外務省を相手取り県公害審査会に調停を申し立てました。
米軍基地周辺の水源などから高濃度のPFASが検出されている問題を巡り、国や米軍は汚染源とは認めておらず、県が求める基地内への立ち入り調査にも応じていません。
公害審査会は防衛施設に関する事案は取り扱わないと規定していることから、市民団体は規定が適用されれば米軍基地との関連を裏付けるものだとして意義を強調します。
宜野湾ちゅら水会 町田直美代表:
はっきりした蓋然性があると県が踏み込んで調査の結果も出しているんですが、国から地域住民に対して何の説明もなければ、判断もしていない
宜野湾ちゅら水会 照屋正史さん:
沖縄県は「蓋然性が高い」と。なのに相変わらず国は「因果関係(の証明は)困難」。平行線の状況を私たちは何とかしたいという想いがあって、調停に持ち込んで、ぜひ説明をしていただきたい
県公害審査会は1か月以内をめどに会合を開き、申し立てを受理するかどうかを判断します。
ところで、PFAS汚染を巡り米軍が北谷町に対しPFASを除去した水を供給するよう文書で要請していたことがわかりました。
北谷町などによりますと、キャンプ桑江の貯水池でアメリカの飲料水の基準を上回る濃度のPFASが検出されたと米海兵隊から説明があったということです。
法律上、給水を申し込まれた水道事業者は正当な理由なく拒否できないことから、北谷町は水の供給に向けて沖縄防衛局と協議しています。
PFASの除去を巡っては日本側が全額を負担していて、米軍が因果関係を認めていないことから日本政府の補助も一部に限られています。
汚染源の特定に協力を拒む米軍が、水の供給を求める状況に県内の反発が一層強まるものとみられます。