卵の価格が全国的に上がっています。JA全農たまごによると、27日の平均卸売価格は
Mサイズ1キロ当たり325円で“エッグショック”といわれた2023年に迫る水準です。
先週、北海道の養鶏場では今シーズン初めてとなる鳥インフルエンザが確認され、さらなる卵の価格高騰も懸念されます。
年末に向けて卵の需要が高まる中、県内の飲食店や養鶏場の影響や対策を取材しました。
◆オムライスに卵2個「なくてはならない」
越前市内で40年続く洋食レストラン「マイルイ」を取材しました。
兵藤遥陽アナウンサー:
「こちらのお店の人気メニューのボルガライスとエクレア。どちらも価格の高騰が心配されている卵が多く使われています」
マイルイ代表の柳川瑠衣さんは「卵は1日に50個使う。卵は店にとってなくてはならない」と話します。
地元で長く愛されるのが、卵をたっぷり使ったオムライスの上にアツアツのカツをのせた「ボルガライス」。1皿につき卵2個を使います。
◆「なるべく値上げしたくない」
また、スイーツの看板商品、エクレアのほかケーキやプリンなど約20種類すべてに卵を使っています。
店では地元産を使いたいと県内の養鶏場から1週間に30キロから40キロの卵を仕入れていて、仕入れ価格は10キロあたり3900円ほど。ニワトリの餌代や光熱費の高騰もあり、1年前に比べて仕入れ価格は200円ほど上がりました。
店では今のところ、全国的にいわれているような卵の値上げの影響はないといいますが、年末に向けクリスマスケーキなどで卵を使う量が増えるため、このまま卵の価格高騰が進むと、今まで通りの値段で提供できるかどうか不安もあるといいます。
柳川さんは「(県内でも価格が高騰してくると)商品の値段にも影響はかなり出てくると思うが、なるべく価格はそのままで頑張っていきたい」と話します。
◆養鶏場は鳥インフルに警戒
一方、県内の養鶏場では卵の安定供給のため鳥インフルエンザへの対策に余念がありません。
竹内慶行記者:
「福地鶏の卵を出荷しているこちらの養鶏場では、北海道の鳥インフルエンザの確認を受けて、例年より早く石灰をまくなどして、対策をしています」
あわら市にある黒川産業では、3棟の鶏舎で約2400羽の福井のブランド地鶏「福地鶏」を飼育しています。
これまでは、近隣の県などで鳥インフルエンザが確認されたら、県から呼び掛けがあり配布される石灰を使って対策を実施してきました。
しかし、今年は県からの呼び掛けを待たずに例年よも早く10月25日から鳥インフルエンザの感染予防の対策をしています。
黒川代表は「夏の暑さから急激に涼しくなったので、今年は渡り鳥が来るのも早いと思うし、北海道でも早くに鳥インフルエンザが出たということで、少しでも予防を早めにしたいと思い、石灰をまいている」と危機感を募らせます。
また、農場に入ってから行う足元の消毒についても、普段より濃度が濃い消毒液を使用するなど感染予防を心掛けています。
黒川代表は「自分の農場から鳥インフルエンザを出したくない。万が一出てしまった際に、周辺に迷惑のかからないような飼育をしている」とします。
鳥インフルエンザのシーズンに入り、県内の養鶏場でも警戒感が高まっています。