「ハンドルがなく運転席が無人」の路線バスは全国で初めて。愛媛県松山市を拠点にする伊予鉄グループが、来年から松山市内の中心部で自動運転の路線バスを2つの路線で本格的に運行します。この運行のため新たに導入する車両が27日に公開されました。
内木敦也キャスター:
「来年から運行が始まる自動運転バスがこちら。乗りこんでみるとこれまで慣れ親しんできたバスにはあった『ハンドル』がありません。開放的な空間が広がっています」
公開されたのは、伊予鉄グループが来年から松山市内中心部で運行を開始する「レベル4」の自動運転バスです。場所や天候、速度など一定の条件の下で完全自動運転が可能です。
「レベル4」の自動運転バスは、去年12月から全国に先駆けて松山観光港と高浜駅を結ぶ路線で運行していたものの、今回導入するバスには大きな違いがあります。
伊予鉄バス・中川智之自動車部長:
「運転席がありません。ハンドルとかアクセル、ブレーキがなくて」
新たなバスは基本的に営業所で遠隔監視。車体に取り付けられた18のカメラとセンサーで200メートル先までの交通状況を把握することができ、制御するコンピューターの性能が向上したことなどにより「運転席が無人」での自動運転を実現したということです。
支払いは完全キャッシュレス。車イスの介助など乗客のサポートなどは、「保安員」が車両の後部に乗り込んでいて対応します。
この新しい自動運転バスは来年1月から松山市駅を発着する松山環状線で運行をスタート。ルートには踏切もあるものの、自動運転の路線バスが通過するのは「世界で初めて」の事例としています。来年2月からは観光地・道後と松山城を結ぶ路線でも始める予定です。
この一方で、松山観光港と高浜駅を結ぶ自動運転のバスは、新しい2つの路線に力を入れるため、10月末で運行を中止します。
伊予鉄グループは「運転手の不足が深刻ななか自動運転バスは必要不可欠。愛媛・松山を自動運転のモデル地域にしたい」としています。
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