紅葉シーズンを迎え、賑わう人気の山岳エリア
愛媛県が誇る西日本最高峰、石鎚山。標高1982メートルのこの山は、季節ごとに表情を変える豊かな自然を持ち、年間を通して多くの登山客が訪れる人気スポットである。特に紅葉シーズンになると、その美しさを一目見ようと県内外から多くの人が集まってくる。
今回注目するのは、この石鎚山の昭和期の歴史的な出来事だ。特に、石鎚スカイラインの開通から、成就社の再建、そして標高と西暦が一致した記念の年における様々なイベントについて振り返る。

「石鎚スカイライン」は今から55年前の1970年に開通
「石鎚スカイライン」は、久万高原町の面河渓から標高1492メートルに位置する土小屋まで、約18キロを結ぶ山岳道路で、今から55年前の1970年に開通。この年、終点の土小屋には国民宿舎なども完成し、一帯は石鎚山系の登山の拠点として本格的に整備が進んだ。

新しい成就社は1年7カ月ぶりに再建
西条側の登山口となる成就社は、1980年に火災で焼失した建物を1年7カ月ぶりに再建した。新しい成就社は本殿や遥拝殿などほとんどの建物が耐火構造となり、消火栓や貯水槽といった防火設備も完備された。宿泊施設も再建されお山開きに向けた準備が進められた。

「ミスター石鎚」と「ミス石鎚」のコンテスト
1982年は石鎚山の標高1982メートルと一致する年で、さまざまな記念行事が行われた。こちらは山頂で行われた「ミスター石鎚」と「ミス石鎚」のコンテスト。登頂した300人以上の登山者のなかから、石鎚山のイメージにあった健康的な男女が選ばれた。標高が西暦と同じとなる山を目指す登山ファンは多く、この年はいつも以上に石鎚山が注目された1年となったようだ。

