第76回全日本合唱コンクール全国大会に、宮崎大学教育学部附属中学校合唱部が3年連続で出場する。部員は歌詞の意味を深く考察し、心を一つに歌い上げる。学校全体で合唱文化が根付いており、生徒たちは合唱を日常として楽しんでいる。運動部などを引退した「応援部員」と共に、絆を深め、全国大会での「金賞」を目指す。

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伝統校、全国大会へ3年連続出場

大会には宮崎県内から宮崎市立檍北小学校、日南市立吾田小学校、宮崎大学教育学部附属中学校、日向学院中学校高等学校の計4校が出場する。

このうち宮崎市の宮崎大学教育学部附属中学校は、1年生から3年生までの40人が所属している。混声合唱の伝統校として知られていて、10月26日に富山県で開催される全日本合唱コンクール中学混声の部に3年連続での出場となった。

合唱部の部長、加藤優和さんは「私たちの合唱部は一人一人の個性が豊かで、とても仲が良く、本番にも強い合唱部です」と話す。

全国大会で披露する楽曲は「そばにいる」。部員たちは、この楽曲の歌詞の意味を深く掘り下げ、自分たちの思いを込めて丁寧に作り上げている。

副部長の兒玉奈緒さんは、「曲中に何度も『そばにいる』という言葉が出てきて、その言葉に私たちはいろいろな意味を重ねました。私も中3で受験生でめげそうになるときとかあるんですけど、そういうときに『大丈夫』という言葉で勇気をもらっています」と、楽曲に込められたメッセージが、自身の支えになっていると話した。

学校全体で支える合唱文化

少子化の影響で部員集めに苦労する学校が多い中、宮大附属中は毎年40人前後の部員を擁し、混声合唱を継続している。その背景には、学校全体で合唱を盛り上げようという校風があった。

生徒たちは、クラスごとに毎日合唱練習を行う習慣が根付いている。取材当日も、校内合唱コンクールに向けて、3年生が帰りの会を利用して体育館で練習に励んでいた。

学年主任の教員は、「朝の会、帰りの会で1年間、生徒たちが自主的に練習しています」と説明する。他の学校ではあまり見られない光景であり、生徒たちも「中1のころから伝統として受け継がれてきたので、私たちにとっては普通なのかな」と話していた。

生徒たちは、「(合唱が)楽しいものが日常になっているから、学校全体がそういう感じになっているんだと思います」と、合唱が生活の一部となっている現状を語った。男子生徒は「(合唱は)好きです、大好きです。心の底から」と合唱への熱い思いを口にし、別の生徒は「1年生の頃から身近にある存在なので、すごく合唱が好きです。練習する期間も大事だし、協力して曲を作り上げていくところが好きです」と、合唱の魅力を語った。

応援部員が絆を深める

このような校風もあり、合唱部には毎年、「正部員」に加えて、運動部などを引退した3年生が「応援部員」として参加している。今年は正部員26人、応援部員14人の、計40人となった。

合唱部の多炭淳詞さんは、「最初のひと月、ふた月ぐらいは『これでいけるのかな』とか、真面目にやってくれるのかなというところがあったんですけど、元々部員だった人についてきてくれて、3年の男子は元々仲はいいけど全体の絆が深まって、みんなが信頼しあえる関係になりました」と、応援部員との交流を通じて深まった部員間の絆について語った。

また、松浦玲至さんは、「宮崎から全国へむけて、最高の宮大附属ハーモニーを奏でて、金賞をとってきます!」と全国大会への意気込みを語った。

お互いを思いやりながら心を一つに歌い上げる合唱。宮大附属中合唱部は、学校全体からのエールを力に変えて、大舞台に挑む。

(テレビ宮崎)

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