「世界最強」原付バイク・カブ好きが集まるミーティング
愛媛県松山市の城山公園に原付バイクが続々と集まった。
ホンダの原付バイク「カブ」をこよなく愛するオーナー約300人が、全国から集まった「ひめカブミーティング」だ。
ひめカブミーティング・松本方志代表:
「ホンダのバイク『Cub』の愛好家のみなさんに集まっていただいて、親睦を深めていただくというイベントをやっている」

全国から集まった”カブ主総会”
来場者:
「京都は亀岡市です。皆さんのいろんなカスタムを見せていただいたり、それを参考にさせてもらったりとか」
お互いの愛車を紹介したり、レトロな1台を見つけて思わず釘付けになったり。〝カブ主〟の皆さん、思い思いに魅力を堪能している。
来場者:
「やったなーー。綺麗。色が全然違うで。そこだけやけどピカピカ」
来場者:
「ありがとー。もう21年になるんですよ、このカブ。でもこれ劣化したんで、彼が持ってるって言って」
集まった愛好家仲間からパーツをもらって、交換してもらうほどの愛用っぷり。

世界で1億台以上生産した「世界で最も売れたバイク」
この女性が乗っている「スーパーカブ」シリーズは、ホンダが1958年の発売以降、世界で1億台以上生産した「世界で最も売れたバイク」と言われている。
ひめカブミーティング・松本方志代表:
「燃費と耐久性、これはもう抜群に優れたバイクであって、そしてまた私達の日常生活の中で、普段から身の回りでたくさん走ってるバイク。私にとっては世界最速ではないけれども、世界最強のバイクかなとそういうふうに思ってます」
しかしこうした中、一部の「スーパーカブ」を含む50ccの原付バイクを巡っては、ある動きが…
来場者:
「もうなくなるんで。生産はなくなるんで、新車はなくなりますけど、今までのは多分あるとは思うんですが」
来場者:
「寂しいですよね」

排ガス規制強化で原付バイクの生産終了へ
原付バイクを販売する松山市のプロス タクボを訪ねてみた。
プロス タクボ・清水恒大店長:
「排ガス規制が11月から強化されるため、10月で国内メーカーさんの原付バイクが生産の方が終了してしまいます」
来月から排ガス規制が強化されるのに伴い、多額な生産コストがかかるため、50cc以下の原付バイクについては、国内全てのメーカーが今月いっぱいで生産を終了するのだ。そこで発生しているのが駆け込み需要。実は松山市、日本自動車工業会が2020年に調査したデータによると、原付バイクの普及率が全国でトップクラスなのだ。

30件以上の問い合わせも…在庫と中古車の販売のみ
清水店長:
「今の高校3年生のお父さんお母さんなどが昨日も来店されて、『無くなるって聞いたんやけどまだある?』っていうふうに、数人ご来店はいただきました。今月だけでも、もう30件以上は、そのような形で販売させていただいてますし、『陸送費払ってでもいいけん送ってくれ』って言われる(県外の)方も多くいらっしゃいます」
松山市内のこちらのバイク販売店では、既に新車販売の受け付けを終了。
新車の在庫と中古車の販売のみとなっていて、価格も数万円程度高騰しているという。

「今のうちに50CCを買っておきたい」駆け込み需要
清水店長:
「配達業務の方は、もう今のうちにガソリンエンジンの50CCを買っておきたいって言われる声は多いです。数にも限りがございますので、今年・来年春先ぐらいまでの在庫量かなとは思っております」
では今後、50ccの原付バイクの代わりはどうなるのでしょうか。
清水店長:
「50CCから125CCまでの、今まで原付2種っていうくくりのバイクをパワーダウンさせて、4.0kW今の現行の原付と同じぐらいの出力に抑えまして、そちらの方が原付一種と同じように、2段階右折はもちろんしなきゃいけませんし、最高速度も30キロ、2人乗りも駄目なんですけど、そういったのに乗れるという制度でございます」

新基準の原付バイクが各メーカーから発売される予定
今後は一回りサイズが大きい新基準の原付バイクが、各メーカーから発売される予定。
もちろん、現時点で生産済みの50cc原付バイクは乗り続けることが可能で、現行モデルについては5年間ほど部品交換も問題ないということだ。
清水店長:
「僕らとしてもやっぱ一番最初に乗った乗り物っていうのが、50CCの原付になりますので、この形であったりとか、小ささにおいとか、そういったところがやっぱ思い入れの深い乗り物になりますので、すごく残念には思ってます」
コンパクトなサイズで長年、人気を博してきた50cc原付バイク。
私たちの身近な足は時代とともに大きく変わろうとしている。

