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プレスリリース配信元:NTTコム オンライン

~「金利上昇局面における金融サービスの利用動向調査」を実施~

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲葉 秀司、以下NTTコム オンライン)は、株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、NTTデータ経営研究所)と共同で、NTTコム リサーチ登録モニターおよび協力企業を対象に「金利上昇局面における金融サービスの利用動向調査」(以下、本調査)を実施しました。

本調査は昨年度に続く2回目の実施であり、金利上昇局面における預金者の金融機関利用動向を明らかにすることを目的としています。全国の18歳以上1,061人を対象に預金の預け替えの意向や住宅ローン金利上昇の影響に関する意識について調査を行った結果、以下のことが明らかとなりました。

【主なポイント】
- 4人に1人以上が直近1年間で「100万円以上の預貯金の預け替え」を実施
- 預貯金預け替え時の最重視項目は「利用手数料」「近さ」から「金利」へ
- インターネット専業銀行保有者は預け替え活発 非保有者との差は最大で約10%


【調査詳細レポート】はこちらからご覧いただけます。
詳細調査レポート




【背景】
日本では、2016年2月に開始した「マイナス金利政策」により、約8年間にわたり政策金利がマイナスの状態が続いていました。しかし、2024年3月19日に開催された金融政策決定会合において、同政策の解除および金利引き上げが決定されました。以降、金利は上昇基調が継続し、国内の金融機関でも預金金利や住宅ローン金利の引き上げに踏み切る動きが活発化しています。

こうした環境変化により、金融機関の預貸ビジネスの収益性が改善し、その原資となる預金獲得の競争が激化する方向に動いています。各金融機関は、個人預金獲得の獲得に向けた戦略の見直し、個人預金以外の原資調達手段の検討を迫られている状況です。

本調査は、金融機関が金利上昇の影響を見極め、必要な戦略変換を具体的に考える契機を提供することを目的とし、マイナス金利解除後の預金者の意向について、非公開型のインターネット調査を用いて検証を行いました。

【主な調査結果】
1.4人に1人以上が直近1年間で「100万円以上の預貯金の預け替え」を実施
昨今の金利上昇局面を背景に、回答者全員(1,061人)に対して「直近1年間※で預貯金の預け替えを行った金額」を調査しました。その結果、全体の21.5%(229人)が100万円以上の預貯金を預け替えていることが明らかになりました(図表1)。さらに「答えたくない/不明」と回答した人(201人)を除外すると、その割合は26.6%となり、4人に1人以上が100万円以上の預け替えを行っていることになります。

また、預貯金の預け替えを行った理由(単一回答)を調査したところ、預け替え実施者(367人)の42.5%が「他行の方が預金金利が高いから」と回答しました(図表2)。金利上昇局面で、預金者がより高金利の商品を求めて行動している実態が浮き彫りとなりました。

※直近1年間とはアンケート回答時を起点とした2024年8月~2025年7月を指します(以下、同様)


【図表1】直近1年間で預貯金の預け替えを行った金額



【図表2】預貯金の預け替えを行った理由


2.預け替え時の最重視項目は「手数料」「近さ」から「金利」へ
回答者全員(1,061人)を対象に、預金の預け替え時に重視する上位3項目を調査しました。本設問は昨年度調査でも実施しており、金利上昇局面における預金者心理の変化も併せて把握しました。
上位3項目までの複数回答で集計した結果、「預金金利の高さ」(50.7%)と「ATM手数料や振込手数料の安さ」(50.6%)がほぼ同率で並んでトップとなりました。昨年度調査では「利用手数料」(48.3%)や「店舗やATMまでの近さ」(45.2%)が上位であり、「預金金利の高さ」は32.9%にとどまっていました。直近1年間で各金融機関から高金利商品が登場したことなどが影響し、回答が逆転したと考えられます(図表3)。

さらに、最も重視する項目(1位)のみを年代別にみると、いずれの年代でも「預金金利の高さ」を挙げる回答者が最多でした。その割合は最も高い40代で39.1%、最も低い70代以上で34.2%と大きな差はみられませんでした。


【図表3】預貯金の預け替えを検討する際に重視する上位3項目(2024年度調査との比較)


3.インターネット専業銀行保有者は預け替え活発 非保有者との差は最大で約10%
「預金金利の高さ」を最も重視する項目として回答した395人をメインバンク別に集計した結果、「インターネット専業銀行」(44.6%)が最多となり、次いで「信用金庫」(39.7%)、「地銀・第二地銀」(38.8%)、「メガ・りそな」(36.8%)と続きました。昨年度調査ではインターネット専業銀行(39.3%)と信用金庫(21.6%)の差は17.7ポイントありましたが、今年は4.9ポイントまで縮小しました。高金利を打ち出すインターネット専業銀行の影響が広がり、地域金融機関の利用者にも「金利重視」の意識が浸透していると考えられます。

さらに、インターネット専業銀行の口座保有や利用状況と預貯金の預け替え行動を分析したところ、同銀行口座を「保有している人」や「メインバンクまたはサブバンクとして利用している人」は、非保有者と比べて直近1年間の預け替え実施率が約9~10ポイント高いという傾向が示されました(図表4)。


【図表4】インターネット専業銀行の利用有無と直近1年間の預貯金預け替え有無


【調査担当者コメント】
■NTTデータ経営研究所 金融政策コンサルティングユニット ディレクター 加藤 洋輝
本調査を通じて明らかになったのは、長期にわたるマイナス金利政策のもとで鈍化していた消費者の金利感応度が、金利上昇局面を契機に顕著に復活している点です。全体の4人に1人以上が実際に100万円以上を他行へ預け替え、その主因として「預金金利の高さ」を挙げた事実は、金融機関の預金獲得戦略に抜本的見直しを迫る重要なシグナルといえます。

また、わずかな金利差であっても8.3%の預金者が預け替えを実施しており、金利上昇局面においては、金融機関の規模や業態を問わず金利競争への対応が不可欠であることがうかがえます。

一方で、単なる金利競争では顧客との関係を持続的に維持することは難しく、金融機関は金利以外の価値提案による顧客ロイヤルティ構築にも注力することが求められます。具体的には、デジタルサービスの利便性向上やコンサルティング機能の強化、地域密着サービスの差別化などを通じて、預金の「粘着性」を高める施策が今後一層重要になると考えられます。

【調査概要】


【関連リンク】
■金利上昇局面における金融サービスの利用動向調査(2024年度調査):https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/241001/
■NTTデータ経営研究所:https://www.nttdata-strategy.com/

<調査データについて>
・回答者の属性は、回答者のアンケート上の自己申告に基づいています。
・回答の構成比は、小数第2位を四捨五入しているため、各構成比の合計は100%にならない場合があります。

<調査結果の利用について>
・本調査は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が共同で行っており、本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が保有します。
・調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所/NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション」または「NTTデータ経営研究所/NTTコム リサーチ」と併記した上で、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましてはNTTコム オンライン広報担当までお知らせください。
・調査結果について、出所を明記せずに転載・引用を行うこと、データの一部または全部を改変することなどの行為はご遠慮ください。
・本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。

■NTTコム オンライン 会社概要
名 称: NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
所在地: 〒141-0032 東京都品川区大崎1丁目5番1号 大崎センタービル
代表者: 代表取締役社長 稲葉 秀司
URL : https://www.nttcoms.com/

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