10月21日、発足した高市新内閣をめぐっては、連立を組む日本維新の会が求める「議員定数の削減」が注目されています。政治学の専門家は「地方の声を聞かない方向にシフトしていく」と警鐘を鳴らします。

日本維新の会が求めている衆議院議員の定数削減。県関係の国会議員からも様々な声が上がっています。

宮城5区・自民 小野寺五典衆議院議員
「今人口減少の国にもなっていますし、財政的にも厳しい。まずは自ら襟を正す意味では、削減はやむを得ないことかと」

去年の衆院選、比例単独で初当選を果たし、環境大臣政務官に就任した森下衆議院議員は…。

比例東北ブロック・自民 森下千里衆議院議員(Q/議員定数削減)
「自分のことの前にまずは選挙制度を考えることが非常に重要。民意を反映することが仕事ですので、そのために国会がどうあるべきかということを議論することが先決」

立憲民主党の安住幹事長は、“政治とカネ”の問題が有耶無耶になる可能性や、人口減少が進む東北の議席が減ってしまう恐れがあると批判します。

宮城4区・立憲 安住淳衆議院議員
「東北の人たちの声が国会に通らないということ。手放しで喜ぶ話でもない。冷静に議論しましょう」

政治学が専門の拓殖大学・河村和徳教授です。

拓殖大学 河村和徳教授
「大阪、維新にとってみると身を切る改革と言いながら、実は大阪の小選挙区で勝っている。ということは、実は自分たちに最も痛みが少ない提案をして、それを自民党が飲んだということ」

定数削減対象に対し、自民党の鈴木幹事長は「小選挙区の定数を削減するのはなかなか難しい」との見解を示しています。

拓殖大学 河村和徳教授
「比例を仮に削った時に、人口の多いところは相対的に削られないわけですから、これからさらに地方は人口減るということになるので、北海道や東北、そして中国・四国・九州は定数が減るんじゃないか。地方の声を減らす、国会議員を減らすというのは、長期的に見て地方の声を聞かない方向へシフトしていく。都市部中心の政治になりやすい。国民の縮図からずれてしまう可能性ある」

“党利党略”で地方の声が届かない国政とならないよう、注視すべきだと指摘します。

拓殖大学 河村和徳教授
「政治家は、自分にとって都合のいいことはきちんと発信するが、都合の悪いことは発信しない可能性がある。そういう視点で見ていく必要がある」

仙台放送
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