26日に投票日を迎える県知事選挙について、各候補者の訴えをお伝えします。
金山氏、遊佐氏、伊藤氏の訴えです。


金山屯氏
「娯楽施設がないんですよ、この政令指定都市に。私はこの仙台、日本のラスベガスにしたいんですよ」

自営業の新人・金山屯氏(85)です。

選挙戦では、少子化対策として仙台に場外馬券売り場を誘致するほか、災害や国防の観点から多賀城市への遷都の実現、女系天皇を認める皇室典範の改正などを訴えています。

金山氏は5歳のときに広島で被爆し、原因不明の体調不良に悩まされてきたと言います。
そんな中、大学で馬術と出合い、馬と触れ合ううちに徐々に体調も回復。馬への思い入れが強まり、「競馬で町おこしをしたい」と思い立ったということです。

金山屯氏
「娯楽のない場所に若い人は来ないでしょ。若い人が、人口が増えるもとになっているんだから」

金山氏はこれまでに、福島や山形の県知事選挙など10回の選挙に立候補してきました。
選挙を通じて特に若い世代に、自身の思いを伝えたいと話します。

金山屯氏
「日本は今おかしいよってことですよね。何がおかしいって、若者たちが非常に元気がない。今回が最後なので一生懸命やりたいと思っています」

遊佐美由紀氏
「高齢者のケア、子育てサービス、それが雇用と新たなビジネスを生み、地域に活力を生むことで若者が定住し、そして人口減少社会を食い止めることにつながることを目指してまいります」

元県議会議員で新人の遊佐美由紀氏(62)です。

村井知事と同じく、1995年の県議選で初当選を果たし、30年にわたり、教育や福祉など幅広い分野の課題解決に取り組んできました。

議員生活30年の節目に知事選への立候補を決意した遊佐氏。
「新・福祉立県みやぎ」をスローガンに、在宅介護サービスの充実や出産・育児費用の無償化などを訴えています。

遊佐美由紀氏
「やはり、子供子育ての支援ですね。学校給食の無償化ですとか訴えさせていただきましたけど、そうした少人数学級、子供たちの直接支援、家計の支援ということと子供1人1人の声を聞くということです」

また、立候補の背景には、5期20年の村井県政に対する危機感があります。
県美術館の移転計画や病院再編構想など、賛否が分かれる施策を進める際の姿勢です。

遊佐美由紀氏
「独断先行であり、県民の声を聞かずして結論のみが最初になってきて、信頼関係が断ち切られている。そんな県政はあってはならない。そう思います」

遊佐氏は立候補にあたり、長年、在籍した立憲民主党を離党しました。
一方で、党は遊佐氏の意向を尊重しながら、自主的な支援体制を整えています。

立憲民主党 安住淳幹事長
「経済発展から今度は充実した福祉の県政に。子供を産み育てる環境すら仙台圏以外はもうなくなりつつあるというこの深刻さに目を背けてはならない!」

県民一人一人の声に耳を傾け、経済重視から福祉重視へ。
県政史上初の女性知事を目指します。

遊佐美由紀氏
「一緒にどう解決して行くか?という事が、今求められる新たな県政だと思うんです。改めて今回の選挙は新しい未来への一歩だと感じています」

角田市の元職員で新人の伊藤修人氏です。

伊藤修人氏
「可能な限り、まあワンオペなのでできることは限られているので」

立候補者の中では最年少の33歳。
選挙への立候補も今回が始めてで、手作りの選挙戦を展開しています。

伊藤氏は岩手県出身で、3年前の結婚を機に丸森町へ移住しました。

選挙戦ではAIや自動運転などデジタル技術を活用した「地域間格差の是正」を訴えています。

伊藤修人氏
「同じ医療費、保険料、税金、そういったものを負担している中で、かたや歩いて行ける範囲に学校も病院も買い物もできる場所がそろっている。かたや車で1時間以上かけてそういったところまで行かないといけない。このような不公平、やはりしっかり是正していかないといけない」

地域の声を反映したいという思いから、沿岸部などにも積極的に足を運ぶ伊藤氏。

伊藤修人氏
「しっかりと住み続けていける地域、誰一人取り残さない地域を作っていくことが、地域だけではなく、宮城県全体の持続可能性につながっていくのです」

持続可能な地域の実現に向けて支持の拡大を図ります。

伊藤修人氏
「都市だけでは生活は成り立っていかないので、食料生産の基盤はやはり地方なので。昨今コメ不足も叫ばれる中で、しっかり地域でも生活を維持できる環境がないと農家も生活していけなくなってしまうので、地域から訴えていきたい」


県知事選挙は今月26日に投票が行われ、即日、開票されます。

また、今回の選挙をめぐっては、誹謗・中傷や嘘の情報がインターネット上で拡散されているとして、一部の陣営が刑事告訴を検討していることが分かりました。

県選管は「当選させないことを目的とした候補者への誹謗中傷や虚偽の投稿は、公職選挙法に抵触する恐れがある」としています。


仙台放送では、投票日の26日午後8時から知事選に関する情報をインターネット配信でお伝えします。

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