気象庁が発表した長期予報によると、12月と1月の気温は「平年並み」、降水・降雪量は「平年並みか多い」傾向です。気温は平年並みですが、寒気の影響を受けやすく冬らしい寒となり、冬の前半に降雪量が多くなり大雪のおそれがあります。
大雪が予想されるのには、次のような理由が考えられます。
東太平洋赤道域の海面水温が、ほぼ平常の状態に近いもののやや低い傾向で、ラニーニャの傾向がみられます。
一方、フィリピン近海の海面水温は高いため対流活動が活発になり、積乱雲が発生します。
その上昇気流によって、大陸付近で偏西風が北に押し上げられ、日本付近で南下するため、日本付近に寒気が南下しやすいのです。日本の冬の天候の特徴といえます。
さらに現在、猛暑などの影響で日本海の海面水温が高いため、日本海側で大雪になりやすいと考えられます。
過去、同じような状況だった年があります。
2005年12月の平成18年豪雪です。12月中旬から断続的に寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置が翌年1月上旬まで続きました。
最深積雪は、大野市九頭竜で241センチ、南越前町今庄で174センチ、福井市で95センチを観測しました。
鉄道の運休や北陸自動車道の通行止めなど大規模な交通障害が発生。除雪作業中の転落事故などで14人が亡くなり、大雪災害となりました。
今年も、寒気が動き出しています。10月に入り、シベリア北部は異常な低温となっています。
先週13日には、ロシアのハバロフスクは1日の平均気温が0度(平年7度)、カザフスタン東部のセメイでは1日の平均気温-3度(平年6度)が観測されました。
その寒気の一部が、北海道に流れ込んでいます。まだ北に留まっていますが、12月に入り偏西風が大きく蛇行すると南下してくる可能性があります。
福井の初雪は、平年は12月3日ですが、今年もほぼ平年並みで12月上旬になる見込みです。
12月に入ると急に寒くなって大雪のおそれがあるため、早めの備えが必要です。