また、クマによる被害が発生した。顔などにケガを負った福島県会津美里町の80代夫婦がクマと遭遇したのは「自宅の玄関先」だった。

■ごみ出しで熊に襲われ夫婦がケガ 近くでも出没

「クマだ!」福島県会津美里町沼田の住宅の敷地内に、叫び声が響いたのは10月22日午前7時半頃だった。警察によると、この住宅に住む80代女性がごみを出すために玄関から外へ出た際に、遭遇したクマに襲われた。
また、叫び声を聞き、駆け付けた80代の夫も襲われた。夫婦はいずれも顔などにケガをし、重傷を負ったが、命に別状はないということだ。

その約10分後には…。被害のあった現場から400メートル離れた道路。走っていた車が、急に出てきたクマと衝突したということだ。
夫婦が襲われた場所から約400メートル離れた町道で発生したクマが関連する事故。体長約1メートルとサイズが似ていることなどから、同じ個体の可能性もあるということだ。

■生活圏に出没する熊 人的被害が増加

付近では、クマの目撃が相次いでいる。柿の木にはクマの爪痕。柿を求めて木を登ったとみられている。
会津美里町の住民は「怖いわい。玄関開けたらばすぐに外でないで右左見て、で前の方見て、それから外出てくるようにしてる。一気に出ないで」と話す。

県内のクマによる被害は、今年に入り22日の2人を含めて17人確認されていて、2023年の14人を超え、直近5年間で最悪となっている。

ヒトの生活圏にも出没するようになったクマ。会津美里町は生ごみの処分などに注意するよう呼びかけている。会津美里町役場・金田彰さんは「いま冬眠前のクマが活発に動いています。外に出る際は十分に注意していただきたいです。また熊の餌となるようなものを外に置いて置かないでいただきたいです」と話した。

■熊の出没は朝・夕の時間帯に集中

クマの出没が止まらない。福島県内では、10月21日だけで多数の目撃情報があった。福島市や会津地方を中心に18件、住宅敷地内にも出没している。時間帯はほとんどが朝夕の時間帯となっている。
福島県は「朝・夕はクマが最も活発に行動するので、登山や散歩・農作業は複数人でクマ鈴などの携帯の徹底」を呼びかけている。

■各地でイベントが中止に

安全を考慮して、各地で「中止」が相次いでいる。
福島市のあづま総合運動公園、昭和村の旧喰丸小学校大イチョウ、下郷町の観音沼森林公園では、紅葉のライトアップが中止に。

また、金山町では、只見川を船で渡る「散策付きプラン」が新規予約受付停止、猪苗代町の天鏡閣でも、10月25日のライトアップが中止となった。
出かける際は、私たちも対策を尽くすことが大切だ。

福島テレビ
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