広島市西区の集合住宅で、ベトナム国籍の女性が殺害された事件は、犯人の行方がわからないまま1週間が経ちました。現場周辺で住民の声を取材しました。
事件発生から1週間ー現場の集合住宅では、周辺を警戒する警察官の姿が見られました。
今月15日、広島市西区中広町の集合住宅の一室で、この部屋に住むベトナム人のグエン・トゥイ・ガーさんが何者かに殺害された事件。死因は「出血性ショック」で、頭や顔を何らかの硬いもので殴られ、頭蓋骨は骨折。強い殺意があったとみられています。
【片平記者】
「こちらの集合住宅にはベトナム人が多く住んでいて玄関のあたりであつまって交流することもあったということです」
【ベトナム人の住民】
「その人は優しい人」「時々会う」「Q:どこで会う?(集合住宅の)下」
「Q:ベトナム人が集まる?こちらにはいっぱいいる」
【ベトナム人の住民】
「時々エレベーター降りる時に時々会ってあいさつします」「Q:どんな感じの人?普通の人と同じくらい」
捜査関係者によりますと、グエンさんは、遺体が発見された15日の午後に殺害された可能性が高く、遺体には争った跡があったということです。
警察は捜査本部を立ち上げ、強盗殺人の可能性も視野に70人態勢で犯人の行方を追っています。
【片平記者のスタジオ解説】
現場は、JR横川駅からおよそ2キロの住宅街で周辺には小学校などもある場所です。
改めて事件当日を振り返ります。
・15日の朝に夫は仕事のため外出。
・午後6時20分ごろ帰宅したところ、部屋で妻のグエンさんが倒れているのを発見。
・そのおよそ10分後に、夫は、集合住宅の向かいにある交番に夫が駆け込み、「妻が血を流して倒れている」と直接警察に伝えました。
捜査関係者によりますと、事件当日の午前中に周辺の防犯カメラにグエンさんの姿が写っていたことから、午前中の生存は確認されており、グエンさんは、午後に殺害された可能性が高いと見て捜査しています。
事件のあった現場の部屋の間取りは2DKで、夫婦2人で暮らしていました。
発見当時、グエンさんは玄関と台所の間で血を流し仰向けに倒れている状態でした。
警察によりますと、グエンさんはなにかしらの硬いもので頭部を打撃されたか、圧迫されていて、腕などには複数個所にアザが確認されています。
こうした状況から、警察は何者かが強い殺意をもって犯行に及んだとみて捜査を進めています。
現場の取材で感じたのは、現場となった集合住宅は大通りに面していて、車や人通りが多い場所で、近くには、住宅やコインパーキングなどがたくさんあって、防犯カメラは多いということ。一方で、通りを一本裏に入ると街灯も少なく、日が沈むと暗い印象があります。
警察は、範囲を広げて、防犯カメラをくまなくたどるリレー捜査を続けていて、逃走したバイクや車、不審者がいないかなど詳しく調べて犯人の行方を追っています。