旧日本陸軍の毒ガス製造工場があった竹原市の大久野島で、毒ガスの後遺症などで亡くなった人たちを追悼する慰霊式が行われました。

竹原市の忠海港から船でおよそ10分。

「ウサギの島」としてたくさんの観光客が訪れる大久野島では、戦時中に国際法で禁止された毒ガスの製造が旧日本軍によって秘密裏に行われ、工場で働いていた行員や動員学徒の多くが、肺や気管支に後遺症を患いました。

戦後80年の今年、慰霊式には遺族や関係者などおよそ100人が出席しました。

式では、この1年間で亡くなった107人を含む4493人の死没者名簿が慰霊碑に納められたあと、遺族が献花を行い犠牲者を悼みました。


【遺族:夫を亡くした女性】
「(夫が)亡くなって20年になったが、私も足が悪くなったので、今回が最後だと思って、来ないといけないと」

県によりますと、毒ガス障害者に認定された人の平均年齢は、95.6歳となり、今後、記憶の継承が大きな課題となります。

テレビ新広島
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