10月21日、憲政史上で女性初となる第104代内閣総理大臣に高市早苗氏(64)が選出されました。

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各政党への挨拶回りを終えた後、皇居にて新総理の親任式と新閣僚の認証式を経て発足した“高市内閣”。女性閣僚2人、初入閣10人、平均年齢59.3歳という目新しい顔ぶれとなりました。

高市早苗首相:
ここからは国家国民のため全力で変化を恐れず、果敢に働いてまいります。そのための内閣を本日、作り上げました。私はあくまでも機会平等、チャンスの平等、これを大事にしています。それから、全員参加。全世代総力結集、この考えで組閣を行いました。

「サン!シャイン」は、弟の石原宏高衆院議員(61)が環境相に就任した、元自民党幹事長の石原伸晃氏をゲストに、“高市新内閣”への期待と課題を聞きました。

「全員参加内閣」「働いて働いて働いて早苗内閣」

視聴者からは、「思ったより女性が少なかった(20代)」という意見もある高市新内閣。政治の専門家たちはどのように見たのでしょうか。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
「全員参加内閣」、高市さんも強調されていましたが、まずは総裁選を戦った相手、林さん、茂木さん小泉さんを重要閣僚で起用している、さらに前任者・石破さんの側近の赤沢さんも経産大臣で入っていると。ここはトランプ大統領との交渉もありますし、継続性も大事だと色んな意味で赤沢さんは入ったと思います。(交渉を)きちっと最後まで着地させてくれと。
もうひとつ、経済系の閣僚については高市さんがご自身と同じ考えの人、特に注目されたのが財務省、積極財政でいきたいということで、財務省出身の片山さん。財務官僚も相当緊張感を持って説明しなくてはいけない。

――女性が2人だけではありますが、すごく重要なポストにつけていると
そうですね、大事なポジションを任せていることで、女性活躍ということにされたのではないかと。
総裁選で汗をかいてくれた人を起用もしていますし、岸田派や森山前幹事長に近い人とか、網羅的に人が入っていますので、非常に全員参加型、仕事師内閣だと感じました。

元自民党幹事長 石原伸晃氏:
私は高揚しちゃった、140年たって初めて女性の首相でしょ?米国の方が先だなと思ってたの。日本できたから、本当に高揚しちゃった。だから彼女の言葉を使って、「働いて、働いて、働いて、早苗内閣」。公明の連立離脱、そして維新という新しいパートナーを迎えて、“和の心”すなわち信義調和を重んじて、新しい日本を創世する内閣だなと。

――これまでの自公の26年からガラッと変わると?
(自公は)両党の持ち味を両党で消し合っていった、その結果が二つの大きな選挙の敗北につながっていますので、やはりこれからは“自民党らしさ”を取り戻して、新しい形の新しい連立、保守の再編といってもいいと。
(注目は)片山さんと小野田さん。思想信条が総理に非常に近い人たちを重要なポストで抱えた、女性閣僚は小泉内閣に5人いたのですが、あのときは川口さんとか外の方を連れてきて5人になったと。政界は女性の参加率が低いですが、そんなになかなか高市新総理が「あなたに!」という人もたくさんいない中で、今回の布陣になっている。
でも、高市さん総理ですから!10人のパワーがあるところに片山さんと小野田さんという女性を助さん格さんでつけたというのが、なかなか良い人事だと思います。

外交面は?重鎮からの圧力は?

――弟である石原宏高氏の入閣について
石原伸晃氏:

きのう朝、共同通信が(第一報を)打ったので電話したら、ふにゃふにゃ言っているんです。要するに兄にも言えないと。だから、言論統制がかかっているとピンときたから、つめなかったんですけど。就任後の会見を見て、地球温暖化という大きなテーマもありますが、日本の場合は福島の原発の中間貯蔵施設の土、予想した当時よりも減衰率が高い、これを有効利用しなくてはいけないといの一番に言ってくれたので。やはり双葉郡の人たちも注目していますので、3.11から10年以上たっても双葉郡には人が戻っていませんので、そういうところにしっかりと政策のフォーカスを当ててもらいたいと思います。

――今後トランプ大統領の来日なども控えていますが、外交については?
石原伸晃氏:

茂木さんのほうに関税交渉をシフトしていっている。これは亡くなられた安倍晋三さんから聞いた話なんですが、トランプ大統領が一緒の席の時に、茂木さんを指さして「お前はおっかない顔をしているな、タフなネゴシエーターだろう」と。相手の国の元首にお前はタフな交渉相手だというふうに思わせることは非常に重要なことで。
赤沢さんが横滑りをして経済産業大臣になっている、経済外交は経産省と外務省の二輪でやるんです。このコンビネーションが非常に重要になってくるので、なかなか良い布陣だと思います。

――高市首相への、重鎮たちの圧力を心配する声もありますが
石原伸晃氏:

ガラスの天井ってなかなか破れないと思うんですよ。幼稚園児の女の子が、後数年たったら「私、総理大臣になりたい」と言う時代が来るんです。ですから、もう少し期待と希望を持って見守ってあげたいというのが私のスタンスです。

岩田明子氏:
(高市さんは)とても芯の強い方なので、今回も日本維新の会との交渉で、周辺が「え?」って思うくらい踏み込んだ書き方をしたりとか、なかなか折れない方なので、重鎮の意見を聞きながらも、通すところは通してくるのではないかと思います。
(「サン!シャイン」 10月22日放送)