長野市の善光寺周辺などでクマの目撃が相次いだことを受け、県と長野地域の市町村の担当者らが集まり、人里に出没した際の対応などを話し合いました。
長野市で開かれた「ツキノワグマ出没対策会議」。県と長野地域9市町村の担当者、クマの生態に詳しい専門家などが出席しました。
県クマ対策員・岸元良輔さん:
「長野市街地のまわりの山裾はもうクマの生息地になっています」
10月11日未明の善光寺周辺の防犯カメラの映像。
通りを歩くクマが映っていました。専門家は、若いクマだとしています。
岸元さん:
「若いクマが生まれた場所を離れて新しい場所を求めて放浪します。おそらくその過程で市街地に迷い込んでしまったのが今回の事例」
市街地で目撃が相次いだことを受け、長野市は、職員6人で連日パトロールを実施し、防災無線などで広く注意を呼びかけました。
その後は、市街地でのクマの目撃は途絶え、人的被害は発生していません。
会議では、長野市の当時の対応や、職員が感じた課題などを共有しました。
長野市 森林いのしか対策課の担当者:
「(課題は)一番はどうやって市民に今回の件を伝えていくか。ちょうど3連休ということで学校が休みだったのが不幸中の幸い。もし学校となると至急、親御さんまで連絡がいったのか課題」
県北部では2025年、クマのエサとなるブナやミズナラなどのドングリが不作となっています。
今後も人里への出没が続く恐れがあり、専門家は、餌となる農作物などの管理を徹底することが大事だと説明しました。
県クマ対策員・岸元さん:
「一度栄養価の高い人の餌に餌付くと急激に執着するクマになります。いかに人為的な餌に餌付かせないということがまず真っ先に考えるべき大切な予防になる対策」