自動ドアを通って建物内にクマが入ってくるケースも出ています。
この非常事態に、クマ対策グッズというのが品不足になっているようなんです。
おりの中で暴れる子グマ。
岩手・奥州市では、子グマを巡る捕獲劇が繰り広げられました。
市街地にある事務所の車庫に、20日から20時間にわたりとどまり続けた子グマ。
21日朝も、市や猟友会がリンゴを入れたわなに子グマがかかるのを待ち続け、21日午前10時過ぎに子グマの捕獲に成功。
子グマは市内の山林に放されたということです。
近隣住民は「なんとかしてほしい。子どもたちの通学路だから」と話します。
市街地での目撃が相次ぐクマ。
21日午前6時半ごろ、秋田・由利本荘市では、住宅街を1頭で歩く子グマが撮影されました。
そして秋田・湯沢市では、夜明け前の駐車場を小走りで進むクマが。
クマは、そのまま建物の自動ドアの前で一瞬立ち上がり、ドアが開くと室内へ。
20日午前4時過ぎ、湯沢市内の消防本部に設置された防犯カメラが捉えたクマの姿。
クマが去った後の玄関ドアには、赤く染まった足跡と爪が残されていました。
この直後から、JR湯沢駅の半径600メートル圏内で、男性4人が立て続けにクマに襲われる被害が発生。
クマはそのまま住宅に入り込み、丸1日がたった21日午後6時過ぎ現在も中にとどまっています。
東京・青梅市の市街地などでも、この3日間だけで25件もの目撃情報が寄せられ、出没が相次ぐクマ。
異例の事態を受け、東京・立川市のアウトドアショップ「好日山荘」では、クマ対策グッズが品不足になる事態に。
登山歴6~7年という男性は、初めてクマ対策グッズを買いに来たといいます。
登山をする男性:
クマ鈴を買いに来ました。あさって登山に行きますので、友人が用意しておけと。
売り場では、約2万円と高価なクマ撃退スプレーの在庫があと1本に。
好日山荘 立川店・青柳勝彦店長:
今年は売れています。山歩きをされる方とか登山を楽しむ方の問い合わせなども増えている。
トウガラシ由来のカプサイシンなどが主成分のクマ撃退スプレー。
クマスプレーで撃退したカナダ人:
スプレーを噴射するなら、可能な限り風を背中に感じて噴射してください。
クマの風上に移動してから噴射するなど、適切な使用法を知ることが重要だということです。
専門家は、クマが冬眠に入るはずの真冬にも警戒が必要だと指摘します。
東京農業大学森林総合科学科/山﨑晃司教授:
(人間の)“集落依存型のクマ”は冬の間も食べ物が十分にあれば、冬眠は寒さへの適応ではなく“飢餓への適応”なので、「冬眠しないクマ」が出ないとは言えないと思う。