10月20日、連立政権を樹立することで正式に合意をした自民党と日本維新の会。維新の吉村洋文代表が『サン!シャイン』に生出演、政策実現への思いを語りました。
吉村氏「議員定数削減はコストではなく政治姿勢」
前回、17日の『サン!シャイン』出演以来話題となっているのが、「議員定数の削減」です。両党が交わした合意文書の中では、1割を目標に衆議院議員定数を削減するため、「令和7年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」と明記。

中でも維新は、「衆議院の比例代表の定数を削減するべき」と主張し、20日、吉村代表は「国会議員1人当たり約1億円のコスト、50人で約50億円予算が削減される」と発言しました。

日本維新の会 吉村洋文代表:
衆院選って小選挙区で負けたとしても復活で当選する、我々の業界では“ゾンビ議員”といわれる「比例復活」が、約170以上あるんです。
小選挙区って範囲がそこまで大きくないですから、地域の声とかいろんなものをちゃんと届けようと。もちろん国家全体のことも考えることそういう機能は確かに果たしているとは思います。でも小選挙区で落選しているけれども、当選するものが170以上あるんです。それはやっぱり違うなと思っています。
吉村洋文代表:
コストの話がありますが、コストっていうのが本質ではないというふうに思っています。政治家が一番やりたくない、一番ハードルが高いのは「議員定数削減」です。それはそうですね、自分の椅子のところだから。
でも、まずは自分たちのことから始めようと、“隗(かい)より始めよ”と。これをやらなくて、申し上げた色々な改革なんてなかなかできない。
実際に大阪維新の会で(大阪府議会の議員定数を)109から88まで、2割削減やったんです。それをやった結果、大阪府政は黒字になり、財政が良くなり、補助金もおかしいのはやめて、町に投資をし、万博までできるようになってきた。出発点は「議員定数削減」だったんです。

――成立を“目指す”とありますが、“成立させる”には至らなかった?
吉村洋文代表:
ここは「令和7年臨時国会」というのに、期限にこだわりました。次の臨時国会ですから、今年中って話です。
自民党も民主党もかつて国民に約束したんです。当時の野田首相、それから当時、安倍さんが「議員定数大幅削減しましょう」って言って約束したのに、その約束も果たされてないんです。

豊崎由里絵氏:
比例区の順位って結局政党が決めるわけじゃないですか。
それを考えた時に、実際に減らされていく議席っていうのは、実は若手とか新しい政党とか、今まで「改革しよう」と思っていた人たちが減っていくんじゃないかなっていう不安が私はあるんですね。
定数削減自体に反対ではないんですけれども。それって新陳代謝が結局行われない形での議席を減らすっていう形になるんじゃないかなと思って。
維新といえば、「身を切る改革」っていうイメージがあって、そこと今回の議員定数削減っていうのがうまくいくのかな、本当に新陳代謝が進むような形になるのかなという疑問があります。
そこで言うと「定年制」を入れるとか、例えば「国会議員何期までにします」とか、本当に世代交代が進むような仕組みを作ってくれたらいいのに、と期待してしまうんですけど、そのようなお考えは?
吉村洋文代表:
定年制とか期数の制限とか、そういった意見はあります。これは本当に考えなきゃいけないところだと思いますが、これも強烈な猛抵抗になると思います。
「定年を超えても優秀な人いるじゃないか」「今これから高齢者の方も積極的に社会進出するのに、なぜ定年制を設けるんですか」と色々な理由が出てくると思いますが、おっしゃるような問題意識は僕もあるなというふうに思っています。
ただやはり枠が多くて、しかも約束したことを守っていないので、約束を守らない政治でこれから日本の大改革なんかできないと思うし、「全部なくせ」って言っているんじゃないんですよ。170あるわけです。だいたい復活当選が多いんです。

谷原章介キャスター:
でも復活当選が嫌なのであれば、重複名簿登録もさせないようにするとか、色々な考え方はあると思いますし。僕も50人削減に賛成は賛成です。ただこれ50人削っても50億円じゃないですか。50億円の波及効果ってどれくらいあるんですか?
吉村洋文代表:
金額メリットはあるんですけど、僕はそうじゃない。経済効果ではなくて政治姿勢を示す。改革姿勢、政治姿勢です。
視聴者の声「社会保障改革を!」に「子どもたちたちのためにも」やるべき
番組に届いた視聴者の声の中には、「国民に何のメリットが?社会保険料の削減のほうがよっぽど良い(40代男性)」という声もありました。

吉村洋文代表:
これはもう絶対やるべきだと思っていて、社会保険料が高すぎます。医療費だけで年間50兆円ですから今。でもこれ本気でやろうと思ったら医師会は反対します。簡単にはいかないのは分かっている、でも日本の本質的改革としてやるべきだと思うんです。将来の子どもたち孫たちのためにも、今の生活者のためにもやるべき。安心して社会保障を受けられるためにもやるべき。
でもこれを本気でやろうと思ったら議員定数の削減ぐらいできなかったら、できないと思います。まずここは、政治改革として自分たちのことから始めて、それを“センターピン”としてこじ開けて社会保障改革などに進んでいきたい。
杉村氏「国会議員になるべきでは?」
「まずは議員定数削減」と訴える吉村氏。しかし、スペシャルキャスターの杉村太蔵氏から鋭い指摘が…。
スペシャルキャスター 杉村太蔵氏:
本当申し訳ないですけど、吉村さんは“大阪府知事”なんですよ。国政の選挙の審判を受けていない人が、国政のど真ん中のことをここまで政府与党の代表として決定権を持っているというのはやっぱりちょっとおかしいんじゃないかと。
(吉村代表は)国会議員を減らす前に国会議員になるべきだと思う。ぜひ僕はそれはお伝えしておきたいです。

吉村洋文代表:
そう言っていただけるのはうれしいなと思います。
今、日本維新の会の代表として、僕も日本人として「日本を良くしたい」という思いで国政政党の代表をしています。それから府知事として、多くの大阪府民の皆さんにも投票していただいたと。その4年間の任期職責、これを全うするのは絶対大事だし、公約を果たすという思いで政治家やっていますので、口だけじゃなくて「実行する」という思いで政治家をやっているので、そこまでは自らの任務をしっかりと全うしたいというふうに思っています。
(「サン!シャイン」10月21日放送より)