プレスリリース配信元:株式会社ミンテルジャパン
―腸内環境の改善により、レジリエンス(回復力)を育み、ストレス耐性を整え、ベストパフォーマンスを維持する―
ロンドン本社を含め14か国にオフィスを構える市場調査会社「Mintel Group」の日本法人であり、食品・飲料や美容、ライフスタイル分野におけるグローバル調査に強みを持つ、株式会社ミンテルジャパン(東京都千代田区)は、2025年10月15日から3日間に渡り開催された、食品開発展 2025に出展し、食品・飲料部門ディレクター(アジア太平洋地域担当)のミーガン・スタントンが「腸から始まるウェルネス革命:美・健康・スポーツの未来【世界の消費者インサイトとビジネスチャンス】 」と題した講演を行いました。
本講演では、世界各国で高まる「腸の健康」への関心に呼応して開発されている革新的な世界の新商品の事例とミンテルの消費者調査データ等を通して、日本の消費者が抱える健康に関連する課題を食品・飲料メーカーがどのようにサポートしていけるかを解説しました。
本講演資料のダウンロードはこちら: https://www.mintel.com/jp/hi-japan-2025-presentation
取り上げたトピック
1.世界的に高まる「腸の健康」への関心―腸内改善を訴求する新商品が増加
2.腸活×ウェルネス:健康維持からレジリエンス(回復力)の構築へ
3.腸活×美容:SNS世代は即効性を、シニア世代は健康的な長寿の手段としてインナービューティに取り組む
4.腸活×スポーツパフォーマンス:胃腸にやさしいプロテインとe-スポーツ選手に向けた「目の健康」
1.世界的に高まる「腸の健康」への関心―腸内改善を訴求する新商品が増加
ミーガンは、はじめにミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)による分析から世界全体で、腸内環境の改善*を謳う食品、飲料、VMSの発売割合(2000年~2024年)を提示し、「機能性-消化器系」、「プロバイオティクス」、「プレバイオティクス」を訴求する新商品が世界的に増加傾向にあることを示しました。
ミーガン:「世界的に、また日本においても、腸内環境の改善を訴求する食品・飲料およびVMS(ビタミン・ミネラルサプリメント)の割合が増加しています。良好な腸内環境と健康効果の関連性に対する理解が消費者の間で広まったことが背景にあります。」
出典:ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)
「日本においても『腸内環境の改善』によるメリットとして『全身の健康』『美容効果』『スポーツパフォーマンス』が求められていることが、ミンテルが日本で行った消費者調査の結果から分かります。日本の消費者の86%が腸の健康維持が健康全般の鍵となると考えており、32%が食品やサプリメントが外見(肌や髪)の改善に役立つことを望んでいます。また、日本の消費者の49%は、食品やサプリメントが疲労回復に役立つことを望んでおり、30%は筋力の向上や維持を望んでいました。」
出典:ミンテルジャパンレポート『栄養トレンド - アクティブライフスタイル - 2024年』
2.腸活×ウェルネス:健康維持からレジリエンス(回復力)の構築へ
ミーガン:「今日の世界の不確実性は、社会のあらゆる層に新たな圧倒感と不安をもたらしています。ミンテルの調査によると、日本の若者は6割近くがストレスによる不安を抱えており、日本全体で見ると、『高齢化に伴う健康問題を心配している人』は66%に上ります。中国の親世代でも、自身の子どもの情緒不安定さを心配している人が3割を超えています。」
ミンテルが今月発表した『2026年:グローバル食品・飲料トレンド予測』では、現代に特有の日々変化する環境に対して、消費者がより耐性を高め、レジリエンス(回復力)を持てるように食品・飲料ブランドがどう貢献できるかを示しています。本講演の中でも、新生児用のミルクを一つの例として紹介しました。
ミーガン:「こちらのVinamilk Optimum Colos Stage 1 Infant Formulaはベトナムで発売されており、6種類のヒトミルクオリゴ糖(Human Milk Oligosaccharide)、24時間保存の初乳、BB-12プロバイオティクス、 DHAやコリンなどの脳をサポートする栄養素を配合しています。」
「これまでは、体を大きくするための栄養に重点を置いたベビーフードと粉ミルクが主流でしたが、この栄養の概念が再定義されています。このベトナムの製品は単なる栄養素ではなく、生後1000日間のレジリエンス(回復力)を促進する機能的なシステムです。これは、最適な成長と発達に加え、子どもの消化機能、免疫力、気分、睡眠をサポートしたいと考える現代の親世代にとって非常に重要な提案です。」
出典:ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)
次に、ミーガンは不安やうつ病などの症状への対処を含め、精神的な回復力をサポートする方法として、腸内環境の改善が臨床的にも証明されていることを説明したうえで、不安を抱える若者向けに提案できる、「サイコバイオティクス(シンバイオティクスとも呼ばれる、プロバイオティクスとプレバイオティクスの混合物)を活用したニュージーランドの炭酸飲料Moodiを紹介。また、健康に不安を覚える高齢者向けには、レジリエンス(回復力)は良好な口腔内の健康によって促進されることを説明したうえで、シンガポールで発売されている口腔の健康をサポートするプロバイオティクスが含まれているGreenLifeのBio Dropsキャンディを海外の革新的な商品例として提示しました。
3.腸活×美容:SNS世代は即効性を、シニア世代は健康的な長寿の手段としてインナービューティに取り組む
ミーガンは次に、古来から言われている「医食同源」という言葉が示すように、食と美容が深く関わっていることに触れ、消費者調査の結果から日本の消費者の「インナービューティ」に関する消費者意識について解説しました。
・日本の成人の38%が、過去6ヶ月間に美容のために健康的な食事を摂った
・日本の成人の40%が美容のための食品・飲料・サプリメントを試したことがある、
または今後試してみたいと考えている
・Z世代/ミレニアル世代の美容意識の高い日本人女性のうち、52%が腸内環境を改善する
機能性製品を試すことに興味がある
出典:ミンテルジャパンレポート「インナービューティ・トレンド2024年」
このインナービューティトレンドの広がりから、昨今注目されている「ニュートリコスメティクス」(栄養=ニュートリション、化粧品=コスメティクス を組み合わせた言葉)に言及し、それが消費者の間で受け入れられている背景として次の3つのポイントを解説しました。
SNS世代:外見が良いことへのプレッシャー×即効性を求める志向
ホリスティックヘルスの浸透:健康によいことは、美容にも良いという意識の広がり
高齢化社会の進行:長く健康に生きたいという意識の広まり
「『全身の健康状態が良いことと=外見が良くなる』ことの関連性は消費者に定着しています。このホリスティックヘルスの浸透と、若い世代におけるSNS映えしたいという欲求(もしくは見た目を良くしなければならない、という外圧的なプレッシャー)、高齢者層における健康に長生きをしたいという意識の3つが、ニュートリコスメティクスの分野を拡大させています。」
特に高齢者は「肌の健康」「体重管理」に関心が高く、腸活がそれに貢献することも、消費者は認識しています。「腸活×体重管理」の観点から注目される、革新的な製品として、“SupergutのGut Healthy GLP-1 Booster”を紹介しました。
ミーガン:「グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は食欲と血糖値を調節し、補助的な役割として米国ではオゼンピックやウェゴビーなどの医薬品を通じて提供されてきましたが、これらは高価で副作用を引き起こす可能性があります。しかし最新の研究によれば、プロバイオティクスとプレバイオティクスがGLP-1産生を自然に促進できることが示唆されています。」
「こちらの“SupergutのGut Healthy GLP-1 Booster”は1袋あたり6gの食物繊維を含み、あらゆる食品や飲料に添加可能。腸内環境を重視した食事を通じてGLP-1の効果を活用することで、減量薬に代わる自然な選択肢を提供します。」
次に本セクションで紹介した消費者の嗜好やインサイト、今後商機のあるホワイトスペースを基に、ミーガンはMintel Spark*を使用して日本の消費者に提案すべき商品例を作成し、提示しました。
出典:Mintel Spark
*Mintel Spark(ミンテルスパーク)―ミンテルのレポートや保有するデータを基に情報検索し、AIの力で商品コンセプト・モックアップを即座に表示できるマーケティングツール
4.腸活×スポーツパフォーマンス:胃腸にやさしいプロテインとe-スポーツ選手に向けた「目の健康」
最後にミーガンは、腸活がスポーツパフォーマンスの向上にも寄与できることを説明し、スポーツ栄養学の分野で今後どういった商品開発が予測されるのかを解説しました。
ミーガン:「これまでのタンパク質一辺倒のスポーツ栄養は、一部の選手の胃腸に不快感をもたらす可能性があります。中国の成人の23%は、消化不良を引き起こす可能性があるためプロテインパウダーの摂取を避けているというデータがありますし、かなり多くのアスリートが、何らかの胃の不調を訴えています。食物繊維を使用した植物由来の腸内環境改善は、身体と心の両面で快適な運動を実現し、パフォーマンス向上に寄与します。また、eスポーツの台頭を受けて、目の健康への懸念が高まっています。最近の研究では、腸の健康が目の健康にも影響していることが分かってきており、将来的には腸眼軸(gut-eye axis)を活用した、腸内環境の改善から目の健康を維持する商品の開発が見込まれます。」
出典:ミンテル世界新商品データベース(Mintel GNPD)
アメリカで発売されているATKINS Chocolate Peanut Butter Flavored High Protein Shakeは、タンパク質30g、プレバイオティクス繊維7gを配合したプロテインドリンク。筋肉の増強をサポートしながら腸の健康も保ちます。
本講演資料のダウンロードはこちら: https://www.mintel.com/jp/hi-japan-2025-presentation
講演の詳細のお問合せや取材の申し込みについては、ミンテルジャパンまでお問い合わせください。
【ミンテルブース展示】
ブースでは、講演者のミーガンが本展示会のためにピックアップした「世界の腸活製品」を展示しました。展示品にご興味のある方は、ぜひミンテルジャパンまでお問い合わせください。
講演内で紹介した世界の腸活製品の実物を展示
■ミンテル ジャパンレポートについて
新製品開発のヒントになるグローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るレポートシリーズ。「美容・化粧品」、「ライフスタイル」、「食品・飲料」分野のレポートをサブスクリプション方式でご提供しています。グローバルと日本、双方の視点でトレンドを捉えることが可能です。
■ミンテル 世界新商品データベース(GNPD)について
世界86ヵ国の日用消費財の新商品を、原料や訴求内容から検索することができるデータベースです。世界各国に配置されたミンテルの調査員が、日々新商品の収集を行うことで、毎月約4万点の商品パッケージ情報をデータベース化し、GNPDを構築しています。商品のあらゆる情報を掲載しているため、様々な視点から世界の製品トレンド分析を行うことが可能です。
■市場調査会社ミンテルの強み
ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、GNPDに蓄積されたデータや独自の消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開しており、「消費者が何をなぜ求めているかを探るエキスパート(Experts in what consumers want and why.)」をコーポレートスローガンとしています。
■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)
ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。
その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。
■会社概要
企業名:株式会社ミンテルジャパン
本社所在地:東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 丸の内ビルディング18階
代表:リチャード・カー
設立日:2008年03月
事業概要:トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等
WEBサイト:https://japan.mintel.com/
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