午後2時前。ついに迎えた、その瞬間…。

「高市早苗くんを、本院において内閣総理大臣に指名することに決まりました」

自民党の高市早苗総裁が、憲政史上で女性初となる第104代内閣総理大臣に選出された。

少し緊張した面持ちで、後ろに座る3人の元総理に頭を下げ、席に着くと、にこりと頬を緩ませた。

高市首相「いい笑顔で…」
国民・玉木代表「はい」
激しい駆け引きを繰り広げた各党の挨拶回りでは、この笑顔。
国民民主党・玉木代表と握手を交わし、多くのフラッシュを浴びた。
そして、“高市新内閣”の全容が明らかに
国民、公明…各党へのあいさつ回りでは
歴史的な一日となった永田町。

自民党の高市総裁は、総理指名選挙の直前に開かれた会合で、麻生副総裁と笑顔で言葉を交わした。

自民党・高市総裁:
しっかりと政権を取りに行く。一致団結して、皆さま方のお力添えを、心より、心よりお願い申し上げます。力を合わせて、今なんとなく世の中に広がってしまっている不安を、希望に変えていこうじゃありませんか。
そして、午後に召集された臨時国会。迎えた、運命の総理指名選挙…。

高市氏が投票すると拍手が送られ、麻生氏の投票では、拍手に加えて、どよめきも…。

そして、午後2時前。
高市氏が、衆議院の1回目の投票で過半数を獲得し、“女性初”となる総理大臣の誕生が決まった。
総理に選ばれた高市氏は、各党にあいさつ回り。
国民民主党の玉木代表とは、固い握手を交わした。

高市首相:
一緒に頑張りましょう。
国民・玉木代表:
強い日本経済、復活するために、私も協力しますから
記念撮影では、こんな場面も…。

記者:
玉木さん、最後の晴れ姿だから。

高市首相:
何言ってるのよ!かわいい弟に。

国民・玉木代表:
安住さんに弟っていわれるよりいいな(笑)
一方、連立を離脱した公明党への挨拶回りでは…。

公明党・岡本政調会長:
満面の笑顔を作ります。
そこに、高市氏が到着。固い握手を交わした。

公明・斎藤代表:
これからしっかり建設的な、議論をしっかりさせていただきます。
高市首相:
(食い気味に)はい、お願いします。
初入閣は10人、女性閣僚は2人に
そして午後4時前。“高市新総理”が、総理官邸に入った。

新たに官房長官に就任する木原稔前防衛大臣が、高市新内閣の閣僚名簿を読み上げた。

総裁選で戦った、小泉農水大臣が防衛大臣に。

林官房長官が総務大臣。

そして、茂木元幹事長が外務大臣に起用された。
総理官邸で高市氏と言葉を交わした、小泉氏は…。

防衛相に起用・小泉農水相:
防衛省、自衛隊25万人の所管とともに、この使命を全うするために自らの重責をしっかりと認識したうえで、日本の国民のみなさんに安心していただける、そんな仕事をしていきたい。

出そろった高市新内閣の顔ぶれがこちら。平均年齢は59.3歳で、初入閣は10人。
当初、過去最多を目指した女性閣僚の数は、2人にとどまった。

そのうちの一人が、財務大臣に起用される片山さつき元地方創生担当大臣。
総裁選で、高市氏の推薦人を務めた片山氏。

東京大学法学部を卒業後、1982年に当時の大蔵省に入省した。

そして今日、“古巣”にカムバック。
経済政策のカギを握る財務省のトップに、女性が選ばれるのは片山氏が初。

財務省に起用・片山さつき元地方創生相:
経済成長戦略で日本経済を強くすることが一丁目一番地。中低所得者がきつくなっているから、なんとか楽にしていくために、給付付き税額控除の制度設計を着手してほしいと言われたので、これは連立合意でのあるので、10個目に一番重いのがきまして、すごいですよ、てんこもりです。

そして、もう一人起用される女性閣僚が、42歳で初入閣する小野田紀美参院議員。

経済安全保障担当大臣に抜擢され、新設される「外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣」も兼務しする。

9年前の参議院選挙で初当選した小野田氏は、父親がアメリカ人で、母親が日本人。

司会:自民党公式YouTubeより(2017年)
ハートはどちらかというと大和魂なの? それともアメリカの?
小野田参院議員:
完全に大和魂ですね。
司会:
でも、パッとみたら本当に外国人ですよね?

小野田議員:
前髪を上げると、途端に外国人っぽくなるんですよ。
総裁選では、高市氏の推薦人を務めた。

小野田議員:
聞いてもらえれば、高市早苗一択というのはわかってもらえるはずですので。

そして、内閣府特命担当大臣に起用されたのは、初入閣の黄川田仁志衆院議員。
高市氏の総裁選出馬会見で司会を務め、質問する記者を指名する際、物議を醸す発言が…。

黄川田議員:
一番奥の、机の、顔が濃い・・・。

高市氏:
顔が濃いて、なんてこと言うんですか。顔が濃いて…すみません。
高市氏はその場で陳謝したが、黄川田氏は次の記者を指名する際にも…。

黄川田議員:
逆に、手前の、顔が白い、濃くない方。

高市氏:
すみません、司会者が・・・。
この会見の直後、黄川田氏は謝罪した。
引き続き、高市新総理を支えていくことになる。
高市氏の総理選出に、海外からは…。

ロイター通信
「強硬派の高市氏が勝利。日本のガラスの天井を打ち破る。保守色強まることに。」
そして先ほど、中国政府は…。

中国外務省:
歴史問題や台湾問題などにおける政治的約束を誠実に履行し、日中戦略的互恵関係を全面的に推進することを期待する。

高市新内閣は21日夜、正式に発足する。
(「イット!」10月21日放送より)