しかし中村さんによると「入浴では少ししか柔らかくなりません。また体の硬さとストレッチのしやすさに関連は認められていません」とのことだ。

使い分けで体と心を整えて

朝と夜のストレッチが分かったところで、最後に気になるのはその間の昼のストレッチだろう。“動的”“静的”どちらのストレッチで何を意識すればよいのだろうか? 

中村さんは動的ストレッチをやってほしいとアドバイスする。

デスクワーク中にも取り入れて(画像はイメージ)
デスクワーク中にも取り入れて(画像はイメージ)

「家事やデスクワーク中の日中に眠くなったとき、皆さんは自然と背伸びをしたり肩を回したりしていませんか?気分転換や目が覚めたりすると思いますが、これも動的ストレッチの一種です」

同じ姿勢で作業を続けていると体の可動域も狭くなる。“体が凝ってきた”などと思うタイミングで、随時やっていれば問題ない。もちろん動的ストレッチが合わないと感じたときは、じっくり伸ばす静的ストレッチを取り入れてもOKだ。

食前・食後どちらでもOK(画像はイメージ)
食前・食後どちらでもOK(画像はイメージ)

またお昼休憩でのストレッチであれば、昼食の前と後ではどちらがよいのかも気になる。しかしストレッチは負荷が大きい運動ではなく、「食事の前でも後でも好きなタイミングでしていただいて構いません。ただ食べ過ぎた場合は、前屈などがやりにくいことがあります」とのことだ。

「もっとストレッチを日常生活の中にフランクに取り入れてもらえば嬉しい」と語る中村さん。目的や使い分けを意識しながら、生活リズムに合ったストレッチを心がけたい。

中村雅俊
西九州大学リハビリテーション学部 准教授/理学療法士。2023年、「3秒筋トレ」の効果についての国際論文を発表。現在も多くのメディアに取り上げられる。フィジカルトレーニングに関する精力的な研究により、ストレッチに関する論文数は世界ランキング1位(2023年)。リハビリのプロとして一般の方々のケアにもあたり、現在は高齢者への有効なストレッチング方法についての研究に注力。

プライムオンライン特集班
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