宮崎県産ワインの新酒が10月18日に一斉解禁される。2025年のみやざきワインは記録的な猛暑を乗り越え、糖度が高く豊かな香りに仕上がっているという。
猛暑を乗り越え 香り豊かに

宮崎県内には九州で最も多い6つのワイナリーがある。そのうち、「五ヶ瀬ワイナリー」「都農ワイナリー」「都城ワイナリー」「雲海葡萄酒醸造所」の4社が生産したワインの新酒が、10月18日に一斉に販売解禁される。2025年の夏は厳しい暑さが続いたが、この暑さがワインの香りを豊かにする効果をもたらしたという。
都農ワイナリー、猛暑でも高品質なブドウを確保

都農町にある都農ワイナリーは、来年(2026年)でワインを作り続けて30年。都農町内や隣の川南町の約40戸の農家が丹精込めて育てたブドウを使用し、フルーティーさと鮮やかなバラ色が特徴のキャンベル・アーリーをはじめ、約40種類のワインを年間18万本生産している。

2025年は、局地的な大雨や連日の猛暑に見舞われたものの、農家が長年培ってきた栽培管理技術により、おおむね予定通りのブドウ収量を確保することができた。

都農ワイナリーの赤尾誠二社長は、「猛暑だとブドウに色がつきづらかったり、物理的に日照の強さでやられてしまったりすることがある」としながらも、「元々、暑い場所、雨の多い場所、台風の来る場所で産地を形成している農家さんたちなので、素よりそういう技術力があるおかげで、こういう猛暑や豪雨を乗り切れたのではないかと思う」と、農家の技術力に敬意を表した。
暑さがもたらすワインへのメリットも

さらに赤尾社長は、猛暑がブドウの糖度を高め、ワインの香りを強くする効果があるとも指摘する。

都農ワイナリー 赤尾誠二社長:
袋をかけたり、葉があったりするため、うまく管理すると暑さ対策は可能であると思う。暑さによってフルーツの香りが強く出るというメリットも生かしながらワイン作りまでつなげていけたら良いなと思う。
新酒の味わいと期待
暑さと向き合いながら作られた今年の新酒。実際にキャンベル・アーリーロゼを試飲した記者は、「口の中でほわっと甘い香りがする。甘くて飲みやすくておいしい」と、その美味しさを表現した。

都農ワイナリーの新酒は、キャンベル・アーリーロゼとマスカット・ベーリー赤の2種類が、県内外で約3万本販売される予定だ。
赤尾社長は、「今年の新酒の出来は、例年並みの非常に良いクオリティの状態に仕上がった。宮崎のそれぞれのワイナリーの土壌や気候というのはそれぞれ違うため、宮崎の特徴がそれぞれで楽しめるというのが面白いところだと思う」と、宮崎ワインの多様な魅力をアピールした。

「みやざきワインヌーヴォー」は、ワイン産地としての宮崎をPRする目的で2015年に始まった。10月18日には4ワイナリーの商品が一堂に会し、イオンモール宮崎でセレモニーも行われる。4ワイナリーの味を飲み比べてみてはいかがだろうか。
(テレビ宮崎)