25年4月から9月までのクマの出没件数・人身被害が過去最多となっている新潟県。県は『クマ出没特別警報』を発表し、注意を呼びかけている。専門家は「エサを求めるクマが住宅などに侵入する危険性が高まっている」と警鐘を鳴らしている。

■新潟県『クマ出没特別警報』を発表

10月4日に新潟県妙高市の山あいの道路でランニングをしていた30代の男性がクマ2頭に襲われ重傷を負うなど、クマによる人身被害が相次いでいる新潟県内。

4月から9月までのクマの出没件数は1232件、人身被害9人は、いずれも過去最多となった。

県は10月11日からの3連休を控え、山へ出かける人も増えることが予想されることから、これまで出していた『クマ出没警戒警報』を最も高い段階の『クマ出没特別警報』に引き上げた。

■“エサ”求め人里に降りるクマ増加

鳥獣被害対策支援センターの小根沢元浩所長は「山奥にエサがないから、人里に近いところでの目撃件数が非常に増えているのだと思う」と話す。

2025年はクマのエサとなるブナの実が例年以上に凶作となっていることからエサを求め、人里に降りるクマが増える傾向にあるという。

■専門家“住宅侵入”の危険性指摘

9月30日には村上市でクマに住宅に侵入したケースもあったが、クマの生態に詳しい長岡技術科学大学の山本麻希准教授は「エサを求めるクマが住宅などに侵入する危険性が高まっている」と指摘する。

「窓ガラスを破って家の中に入るとか、例えば畜舎を壊して入るとか、そのくらいのクマの圧がかかってくると思う」

住宅の周辺に生ゴミなどエサとなるものを置かないなど最大限の対策が必要になると呼びかける山本准教授。

「中山間地域にお住まいの方は、鍵が閉められるところはしっかりと閉める。エサになるようなものは家の脇ではなくて、家の中のできるだけ臭いのもれないところにしまう。かなり配慮が必要かなと思っている」と警鐘を鳴らす。

県は、冬眠前の11月末までを警戒強化期間として、クマの目撃情報をこまめに確認しながらクマのいるところには近づかないなど警戒を呼びかけている。

NST新潟総合テレビ
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