静岡県三島市の人気インフルエンサーが新たに始めた“アナログ”な取り組み。一体なぜなのか?その理由を取材しました。
スマホで一心不乱に料理や食事風景を撮影するこちらの男性。
“写真映え”を気にするお客さんではなく…
動画で県東部のグルメなどを発信するフォロワー数2万人超えの「インフルエンサー」です!
学生:
見たことあります!
学生:
撮り方がうまいから食べてみたいと思うことがよくある
学生:
「ここ行きたい」というのを保存したり友達から送られてくるので「ここいいじゃん」みたいな
そんな学生の支持を誇るインフルエンサーがいま始めようとしているのが…
インフルエンサー:
フリーペーパーにチャレンジします
令和の時代にインフルエンサーがあえて紙の“フリーペーパー”作り?
いったいなぜなのか?
三島市出身で大学3年生の大城拓真さん。
彼が中心となって発信するのがインスタグラムのアカウント「にじいろグルメ」です。
この日訪れたのは沼津市にある「和」をテーマにしたカフェ「六花」。
インスタグラムで紹介するグルメスポットの撮影です。
インフルエンサー・大城拓真さん(23):
グラム数からあれですよね、すごい、時間も。0.5gずつですか。すごっ
お店自慢のごま豆腐や、揚げ田楽・・さらに食事風景まで細かくシーンを割って、角度を変えながらスマホで撮影します。
2時間かけて完成したのが20秒ほどの動画です。
撮影日の1週間後に投稿すると2000を超える「いいね」が付きました。
大城さんが2年前に始めた「にじいろグルメ」のアカウントのフォロワー数は現在2万人超え!
SNS上で確固としたポジションを築き上げた大城さんですが…
いま取り組んでいるのが“アナログ”といえる紙を使ったフリーペーパーづくりです。
この日は仲間の大学生たちと打ち合わせ。
フリーペーパーの名前は「#IZUIS」に決めました。
県東部などのグルメや話題のスポットなどを取り上げる予定です。
あえてフリーペーパーにこだわったのはデジタルにはない“魅力”を感じたから。
SNSだけでは届けたい人たちに情報を届けることができないと強く感じていました。
インフルエンサー・大城拓真さん(23):
「にじいろグルメ」として活動しているなかで、SNSを見てくれる人はもちろん多いが、東部はまだ人と人との繋がりがすごく大事に思われている
高齢者などSNSなどを見ない幅広い層にも地元の良いものを紹介したいとたどり着いたのが、紙媒体での紹介。
さらに、フリーペーパー作りを進めるなかでより広い意味でデジタルにはない魅力にはまりつつあります。
やや緊張気味の大城さんがこの日訪れたのは伊豆の国市の建設会社「土屋建設」。
建設会社の本業の傍ら、耕作放棄地の有効活用と農業の担い手不足解消のため14年前に農業に参入し、ゴボウや大根などの野菜を生産しています。
「にじいろグルメ」では動画を撮影していた大城さんですが、この日は誌面用に写真撮影を繰り返します。
インフルエンサー・大城拓真さん(23):
小さいころから手伝いをしていて、野菜を育ててきてどうですか?大人になっても農業に携わっているというのは
土屋建設の担当者:
なかなか農業自体すごく難しくて
動画づくりを始めてから少しずつ感じていた、人と直接会話して深く掘り下げてその人の想いを聞くことの面白さ。
その面白さや楽しさを「手に取れる冊子」として幅広い人たちに届けて喜んでもらうことが目標になっています。
土屋建設広報・鈴木京那さん:
インタビューがすごく上手。取材相手の下調べをしてきたり、質問がどんどん出てくる感じが全部に興味を持ってくれている感じがした。情報量がきっとすごいと思うので、自分が(フリーペーパーを)見つけたら絶対欲しい。もらいたい
インフルエンサー・大城拓真さん(23):
「人」が一番大事だと思っていて、何をするにもその人の想いや、一人ひとり違った想いが組み合わさって何か一つのものになると思う。お店の情報ももちろんだが、その人がどういう想いでやってきたかを載せることで見たときに感動してもらえるような冊子を作れるのではないか
はじめはフリーペーパーの存在を知らなかったという大城さん。
インフルエンサーが手掛ける冊子は10月末頃の完成を目指しています。