生息数が激減し、全国に約500羽ほどしかいない「幻の鳥」、国の天然記念物・イヌワシ。
富山県内では5つのペアが確認されていますが、そのうちの一つがいが、今年繁殖し、幼鳥が優雅に空を舞う姿が撮影されました。
撮影されたイヌワシの幼鳥は、尾羽と翼に白い斑点があるのが特徴で、翼を広げた状態では2メートルほど。
県内外で30年以上に渡ってイヌワシの観察を続けているイヌワシ保護協会の小澤俊樹さんが撮影しました。
*イヌワシ保護協会 小澤俊樹会長
「恐らく巣立ち後2日くらいの幼鳥に会えたので、もうそれは最高。現在、富山県には5ペアしかいない。残ってる5ペアが繁殖をしたことはとても貴重なデータになる」
県内では現在5組のイヌワシのペアが確認されていますが、化石燃料に依存するライフスタイルの変化による森林の管理不足やダム建設などに伴う環境の変化で、エサとなる小動物が減って生息数が減少してきました。(1990年代には20~30組のイヌワシが県内に生息)
*イヌワシ保護協会 小澤俊樹会長
「このイヌワシが生きているということは、イヌワシだけが元気にいきているわけではなくて、イヌワシが生きられる環境がそこにある。その下のイヌワシにとってのエサ動物であったり、草木、その環境全体がすばらしいって、豊かであるということの象徴になるので『大事にしていこうよ』という思いがある」
イヌワシ保護協会では来月8日と9日の2日間、黒部市で観察会を開き、イヌワシの保護を呼びかけることにしています。