独特な形で有名な「バオバブの木」、直立したまま横っ飛びするサル。
この自然豊かで美しい島国で、今、クーデターが起きています。
路上に放置され、燃え尽きた車の残骸。
店のショーウィンドーは割られ、粉々になったガラス。ATMは破壊されています。
従業員:
私たちは職を失い、養う家族がいます。生活費は上がり続けている。1日1食に減らすしかありません。
日本から約1万km以上離れたアフリカ大陸の南東の島国・マダガスカルでは、慢性的な停電や断水などへの不満をきっかけに、9月から若者世代による反政府デモが激化。
マダガスカルのラジョエリナ大統領は13日、SNSで出国したことを明らかにしました。
マダガスカル・ラジョエリナ大統領:
私は本日、首相を解任し、政府を解散する決定を下しました。
国連によると、今回の反政府デモで少なくとも22人が死亡、100人以上が負傷したとしています。
抗議者:
私たちはマダガスカルの人々が苦しんでいることを世界に知ってもらいたいのです。私たちは戦うつもりはありません、願いを聞いてほしいのです。
こうした中、地元メディアなどは14日、軍の一部が大統領官邸を占拠し「権力を掌握した」と宣言したと伝えています。
マダガスカル軍・ランドリアニリナ大佐:
(Q.選挙を実施しますか?)もちろん、もちろん、早くて18カ月後。遅くても24カ月後に。(Q.つまりこれは“暫定政府”ですか?)そうです。
地元メディアは、軍が上院など国の機関の解散を発表したと報じていて、現地ではクーデターが進行しているとみられます。
観光地としても人気の高いマダガスカル。
一度見たら忘れられない、その独特な形の木「バオバブ」は、サン=テグジュペリの世界的な名作「星の王子さま」にも登場するマダガスカルを代表する樹木です。
腕を左右に広げ、直立したまま長い尻尾でバランスをとって横っ飛びをする真っ白なサル、ベローシファカ。
またアイスクリームやプリンなどお菓子作りに欠かすことのできない、甘い香りの「バニラビーンズ」はマダガスカルの名産で、世界の流通量の約8割がマダガスカル産です。
生活苦をきっかけに起きた反政府デモ。
今後の見通しは決して甘い状況ではありません。