昨年から今年にかけての大雪で甚大な被害を受けた福島県会津若松市。140件以上もの屋根修理依頼があり、いまだに修理が完了していない状況だという。「今年から来年にかけてまた大雪になりますか」という視聴者からの問いに対し、福島テレビの斎藤恭紀気象予報士は注意を促した。

■世界の気温異常と日本の冬
斎藤気象予報士はまず、世界の平均気温平年差を示した地図を提示。特にヨーロッパ地域が寒くなっていることに注目し、「ヨーロッパは9月から記録的な寒さになっている。日本が記録的な熱波だった9月にヨーロッパはすごく寒くなって、農業でも霜の被害が出ている」と説明した。
その原因として、偏西風の大蛇行を挙げた。「変性風の大蛇行が今年も激しい。つまり寒気が南下しやすくて寒い冬になる可能性がある」と解説した。

■雪のメカニズムと今年の特徴
雪が降るメカニズムについても詳しく説明。「日本海があるから日本は雪が降る。日本海の上で雪雲ができる」として、あたたかい海の上を冷たい風が吹くと露天風呂の湯気のように雪雲が発生し、そこに上空の強い寒気が入ると分厚い雪雲となって大雪をもたらすと述べた。
重要なのは日本海の海面水温だ。「今年の海面水温を見ると、日本海がこの段階でも、まだ10月でも、2℃から3℃高くなっている」と指摘。
「寒気が南下しやすくて海面水温が高い年」という今年の状況は、前冬と同じパターンだという。「前冬も秋から冬にかけて、日本海の海面水温が2〜3°C高く、偏西風の大蛇行で寒気が南下しやすい」状況だった。そのため、「今年も会津地方を中心に湿った重たい大雪に見舞われる可能性がある」と警告した。

■週末にも初雪の可能性
気になるのは雪の時期。例年、福島県の吾妻山では10月下旬に初冠雪を観測するが、近年は早まる傾向にある。斎藤気象予報士は「平年は10月26日ですが、去年は10月20日、おととしは10月21日」と紹介し、「19日(日曜日)に吾妻山で初雪が降るかもしれない。初冠雪がもしかしたら来週、週明け20日(月曜日)頃にあるかもしれない」と述べた。
「この冬は今年の酷暑を忘れるくらい、いぎなり(方言:いきなり)寒く、いぎなし大雪になるのでしょうか」という質問に対しては、「すぐに寒くなる、いきなり寒くなるっていうのは今年の特徴」と答えた。
会津地方を中心に、今年も雪への備えをしっかりとするよう呼びかけた。

※2025年10月13日(月)に放送した福島テレビ「テレポートプラス」の天気コーナー「福テレ空ネット」から抜粋した記事です。最新の情報をご確認ください。

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