閉幕まで残りわずかとなった大阪・関西万博。
目玉の大屋根リングやパビリオンは閉幕後どうなるのか。
取材すると、関西で、そして世界で再利用されることが分かりました。
■閉幕が近づく万博「さびしい。はかない」
8日も、多くの来場客が万博会場に訪れました。
閉幕へのカウントダウンも始まり、会場の壮大な景色もいよいよ見納めです。
【来場客】「なんかさびしい。すごい楽しませてもらったし」
【来場客】「やっぱり名残おしいですね。ずっとやってほしいですね」
【来場客】「万博ってはかないものだなって。期間限定で…」「それもステキですよね」
■パビリオンの2割は再利用へ
独自の特色が存分にちりばめられた万博の華”パビリオン”も、閉幕すると会場から姿を消すことに…。
【来場客】「もったいない。残ればいいなと、何かの形で」
【来場客】「残せるものは残せたら次の世代に受け継げたらいんじゃないか」「いい意味で再利用してくれたらいいな」
閉幕後のパビリオンについて7日、博覧会協会は…
【博覧会協会・石毛博行事務総長】「パビリオンを移築して1つのレガシーとして残していきたいという希望も出ていまして」
84あるパビリオンのうち2割ほどを再利用させたいとしています。
■オランダ館は淡路島へ!
その1つがオランダ館。
大きな球体に、オランダ生まれの「ミッフィー」がお出迎えしてくれる、なかなか予約が取れない人気パビリオンです。
【オランダ総領事館 マーク・カウパース総領事】「私たちはこの美しいパビリオンを壊しません。再利用して淡路島に持っていきます」
兵庫県の淡路島にそのままの形で移設する予定だといいます。
(Q:ミッフィーはどうなるんですか?)
【オランダ総領事館 マーク・カウパース総領事】「おそらくミッフィーは淡路島には行かないですね。オランダが所有してるので、パビリオンはパソナに受け渡されますが、(ミッフィーは)おそらく私と帰ります」
(Q:淡路島にもミッフィーを連れて行ってほしい)
【オランダ総領事館 マーク・カウパース総領事】「ハハハ、理解はしてますけど…」
この移設は、淡路島で様々なレジャースポットを展開するパソナが計画していますが、詳細についてはまだ言えないということです。
■パソナ館も淡路島に
一方で、万博の目玉の一つ「iPS心臓」があり、アトムやブラックジャックが案内してくれる「パソナ館」も淡路島に移設する予定です。
【パソナグループ 山本絹子副社長】「皆さんがここはとてもよかったとか、これはびっくりしたとか言われるものはできるだけ持っていきたいと考えています」
(Q:アトムとブラックジャックも行けるかもしれない?)
【パソナグループ 山本絹子副社長】「できたら持っていきたいと思っていまして。すばらしいナビゲーターだったのでご案内役を続けてもらえればと思っています」
■海外移設のパビリオンも
そして、もっと”ワールドワイド”な計画が持ち上がっているのが、ウズベキスタンのパビリオンです。
「知の庭」をテーマとして、屋上に日本の杉およそ300本を並べた外観が特徴ですが…
【ウズベキスタン担当者】「万博が終わった後は分解してウズベキスタンに持っていくつもりです」
なんと、この屋上部分を一度解体した後、自国に持ち帰って建て直すというのです。
【ウズベキスタン担当者】「教育センターとして再び活用します。万博が終わった後も、万博の理念を残したいと思っているからです」
他にも、「いのちの遊び場・クラゲ館」は広島県福山市に移設され公共施設に。
ルクセンブルクパビリオンは大阪府交野市の公共施設として再利用されるということです。
また、パビリオンのほかにも、いわゆる「2億円トイレ」は河内長野市の植物園に移設され、目玉の「大屋根リング」の木材は、石川県珠洲市の復興公営住宅の資材として活用される予定です。
期間中、多くの来場者を楽しませた「万博の華」は、レガシーとして閉幕後も各地で記憶に残り続けます。
■「味のレガシー」も残る
様々なパビリオンがレガシーとして再利用されそうですが、「味のレガシー」も残されそうなんです。
ドイツは来年夏に大阪で新しく「Oishii Germany(オイシイ・ジャーマニー)」レストランをオープンさせると8日発表しました。
サウジアラビア・バーレーンといった中東諸国も、それぞれのグルメが食べられるカフェを大阪でオープンする計画があるんだそうです。
また、パビリオンで使われている資材を内装に再利用する計画もあるということで、閉幕後も楽しめそうですね。
【吉原キャスター】「万博に行けなかった方、行ったけれどもグルメ楽しめなかった方もいましたからね」
【ジャーナリスト 岸田雪子さん】「私も水とコンビニのおにぎりを抱えて行列並んでいた口なので、こういう味を楽しめるっていうのは本当に楽しいなと思いますし。あと私はヌルヌルに入れなくて残念だったんですけど、あれもまた別の形でっていう話もありますし。レガシーが残っていくのは嬉しいことですね。
先日、万博が黒字の予算で280億円ぐらいになるかもしれないということで、最終的にあと3年ぐらい決算までかかるというお話でしたけれども、レガシーづくりに活かすという意味で、黒字部分は使って欲しいですよね。国民とか市民に対して還元するものとして黒字部分をぜひレガシーづくりにも活かしていただきたいなと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月8日放送)