俳優の大東駿介さんが、訪れた街のうんちくや、まだ地元住民にも知られていないような魅力を探す「発見!てくてく学」。
今回の舞台は滋賀県彦根市。琵琶湖をバックにスタートです。
琵琶湖は世界でも珍しい「古代湖」の1つです。
古代湖とは100万年以上存在し続け、そこにしか生息しない固有の生物がいる湖のことを指します。世界でも約20カ所しかないと言われる中で、琵琶湖はその1つとして知られています。
今回は記念すべき「てくてく学」50回目!
【大東駿介さん】「うれしいな、まさか1年続けられるとは!これからもよろしくお願いします、2年目突入!」
■親子3世代が通う老舗食堂の「中華そば」
まず訪れたのは「彦根銀座商店街」。
この商店街には、地元の人々の生活の一部となっている老舗食堂「ミツワ食堂」があります。
戦後まもない1948年(昭和23年)にオープンし、親子3世代で通い続ける常連客もいるほど、長く愛され続けているお店です。
ミツワ食堂の看板メニュー「中華そば」をいただきます。
【大東駿介さん】「優しいスープ!まさに中華そばって感じですね。全然のど乾かない」
昆布とカツオでとったうどん出汁を使った優しい味わいのスープに、細めのストレート麺が絶妙にマッチしています。
創業当時から変わらぬ製法で作られるこのラーメンは、多くの彦根市民に親しまれてきました。
さらに、初代店主は新しい物好きで、彦根で一番早くソフトクリームの販売を始めたというエピソードも。ラーメンと一緒に食べるのがオススメだそうですが…
【大東駿介さん】「ラーメンは伸びる、ソフトクリームは溶ける。めっちゃ追われますね!」
■現役市長も通う思い出の場所
実は、彦根市の市長もミツワ食堂の常連客の1人なんだとか。ことし5月に就任した田島一成市長は、小学校の頃からミツワ食堂に通っていたといいます。
【田島市長】「市長に就任してからも公務が結構忙しいんですけれど、月に2回ぐらいはこっそり行ってます」
あっさりとした汁は最後の一滴まで飲み干してしまうほど美味しく、懐かしい同級生に会うこともあるなど、アットホームな雰囲気が魅力です。
【田島市長】「私の体の一部だと思ってます」
大東さんも、いつの間にかお店の常連かのようにお喋りしています。
■滋賀県の食文化を支える「琵琶湖の魚」
いつの間にか話は「琵琶湖の魚」に…。
【大東駿介さん】「琵琶湖の魚は普通に市場に出回ってるんですか?」
【ミツヤ食堂 店主】「普通に出回ってますよ。食卓に並ぶことが多い」
滋賀県の食生活には、琵琶湖で獲れる魚が欠かせません。モロコ、ビワマスなど季節ごとに旬の魚が各家庭の食卓に並びます。
県内のスーパーや鮮魚店には、季節ごとに獲れる琵琶湖の魚が並び、各家庭の味付けで佃煮にしたり調理したりして楽しまれているのです。
市長に聞いてみると…
【田島市長】「我が家には当たり前。親父は毎食必ずサイドメニューの一品に『ふな寿司』が出てきますし、『鮎の佃煮』は春になると私も時間がある時は炊きます」
■養殖鮎の先駆け「あゆの店きむら」
続いて訪れたのは、「あゆの店きむら」。県外からもたくさんの客が訪れるこのお店では、琵琶湖の魚介類を加工・販売しています。
お店の人気商品の一つ、「あゆの姿煮」は6~7時間煮込むことで生み出される深いコクとうま味に加え、骨まで柔らかい上質な食感が特徴です。
【大東駿介さん】「身と骨が一体化してますね。しっかり香ばしい鮎のうま味がある」
その美味しさの秘密は、養殖技術の研究にありました。
一般的に「鮎は天然ものが最高」と言われますが、この店では80年にわたり養殖技術の向上に取り組み、現在では天然ものに負けないと言われるほど唯一無二の養殖鮎を作り上げています。
■業界の常識を覆す“最高級の養殖鮎”のヒミツ
店の裏には広大な養殖池があります。冬の時期に琵琶湖で獲れた鮎の稚魚を養殖池に移し、鈴鹿山系から汲み上げたミネラル豊富な地下水で育てるのです。
水温は年間を通して16度に徹底管理されています。さらに、池の形を八角形にし、水車のような機械で河川の上流部と同じ速さの水流を実現。
川の流れに似た不規則な変化をつけることで、天然の鮎が住む環境に限りなく近づけているのです。
こうして身の締まった、余計な脂が少ない上質な鮎を育てることができるのだそうです。
■別物の美味しさ!ブランド鮎「木村鮎」
「あゆの店きむら」では、養殖した鮎の中でも選び抜かれた最高級のものを「木村鮎」と名付け、ブランド化しています。
身の締まりや形に至るまで厳選された「木村鮎」は、天然物に負けない食材として一流店の料理人たちから絶賛されています。
特注で作った専用のグリルでは、塩を振った鮎をゆっくり回転させながら15分ほどかけて丁寧に焼き上げていきます。
【大東駿介さん】「うまいわ…!臭みどころか、肉の脂のうま味!鮎でこんな旨み広がるの感じたことない。これびっくりするで!雑味がまるでないんですよね」
大東さん、美味しさのあまり頭まで食べました!
【大東駿介さん】「あえて言わなかったんやけど、天然に負けないっていう表現がもしかしたら違うかもしんないですね。もう『別物』かも」
長年の研究と工夫が生み出した「木村鮎」。彦根市の誇る食の魅力として、多くの人に親しまれています。
(関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」2025年10月5日放送)