戦争で亡くなった人々を追悼するため島根県松江市に建てられた戦没者慰霊塔の老朽化が進んでいるとして、遺族団体などが施設の修復や復元を進めるよう市に要望しました。

10月9日は松江市遺族連合会と戦没者慰霊塔の清掃活動を行うボランティア団体のメンバーが松江市役所を訪れ、松江市の旧陸軍墓地、現在の緑山公園に建てられた戦没者慰霊塔の老朽化が進んでいるとして、修復や復元を求める要望書を公園を管理する都市整備課の担当者に手渡しました。

慰霊塔は終戦後、戦争で亡くなった人々を追悼するため建てられました。
旧陸軍墓地に埋葬されていた遺骨の多くがこの塔に納められたとされ、戦後80年の2025年、市などが調査しましたが、遺骨は確認されませんでした。

ただ、この調査の過程で老朽化が進んでいることや建てられた当時の納骨室の構造などが判明したことから、遺族連合会は慰霊塔を戦争の記憶を伝える遺産として修復・復元するよう要望しました。

松江市遺族連合会・角田一夫会長:
「戦後80年の区切りでありまして、これからは語り部事業として若い子どもたちにも教えていかないといけない。そのためには、慰霊塔があればこういうことがあったと伝えていける、そのために必要だと思っています」

要望を受け、市は2026年度にかけて塔の修復を進めるとともに、11月19日には、この塔では初めての慰霊式を市の主催で行うことにしています。

TSKさんいん中央テレビ
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