島根県松江市の農業機械メーカー「リョーノーファクトリー」が、部品製造に使う「金型」を下請け業者57社に無償で保管させていたとして、公正取引委員会は10月9日、下請法違反にあたると認定し、保管費用の支払いと再発防止を求める勧告を出しました。
また、親会社の「三菱マヒンドラ農機」に対しても下請法を守るよう、申入れを行いました。
公正取引委員会・村重健太郎中国支所長:
「松江市のリョーノーファクトリーに対して下請法に違反する行為を行っていたとして、是正するよう勧告を行いました」
公正取引委員会によりますと、松江市の農業機械メーカー「リョーノーファクトリー」は遅くとも2年前の10月以降、1年以上部品の発注を行っていないにもかかわらず、下請け業者57社に対し部品製造に使う金型などの用具8993個をそれぞれの業者のもとで保管させていましたが、必要な費用を支払っていなかったということです。
金型はリョーノーファクトリーが所有し、トラクターやコンバインなど農業機械の部品製造を委託する下請け業者に貸し出し、保管させていました。
金型などの保管にかかる費用を下請け業者に負担させることは禁じられていますが、リョーノーファクトリーはこれを支払っておらず、公正取引委員会は下請法違反にあたると認定し、9日、保管費用の支払いや再発防止に向けた社内体制づくりなどを求める勧告を出しました。
下請法違反による勧告が出されたのは、島根・鳥取両県では初めてです。
また、公正取引委員会は、親会社で松江市に本社を置く三菱マヒンドラ農機に対しても9日、下請法を守るよう申入れを行いました。
今回の勧告・申入れを受け三菱マヒンドラ農機は「速やかに支払いを進め再発防止に努める」とコメントしています。