プリップリの食感を楽しめる秋の味覚、カキ。

「海のミルク」とも呼ばれるごちそうに、今、異変が起きていました。

「イット!」が向かったのは、東京・港区にあるバター炒めなどのカキ料理が楽しめるお店。

店の名物は、全国各地の新鮮な生ガキです。

中でも一番人気は、ウニに、イクラにキャビアまでのった「極み生牡蠣」。

お手ごろなお値段で、高級食材の融合を感じられます。

そんな秋の味覚に今、起きている異変とは。

Crab Shrimp and Oyster赤坂・木村耕二副店長:
これが試しで発注したものなんですけど…結構やっぱり小さいな。

石渡花菜キャスター:
(殻の大きさと)比べると小さいですよね。

Crab Shrimp and Oyster赤坂・木村耕二副店長:
マガキはあからさまに小さい。色々開けると“これも小さい”というのが結構ある。

本来であれば10月ごろに入荷が始まり、今の時期なら大きな身を味わえるマガキ。

しかし、2025年は猛暑の影響で海水温が上昇したため成長が遅れ、今出回っているものはサイズが小さくなってしまっているといいます。

Crab Shrimp and Oyster赤坂・木村耕二副店長:
ずっと大きいサイズだけ採れないというのは困りますね、かなり。

都内にある別のお店にも話を聞くと、「マガキの入荷シーズンが例年に比べて遅れており、小ぶりなのに値段は高くなっている」などの声が聞かれました。

日本最大の産地である広島県では、養殖カキの水揚げが例年であれば10月1日から始まりますが、2025年は猛暑などの影響で20日にずれ込む異常事態に。

水揚げを遅らせるのは2年連続となり、加速する猛暑が“海の幸”に打撃を与えていました。

影響は他の名産地でも。

宮城県の石巻市で開かれたのはカキの品質検査です。

県内からむき身のカキが集められ、県の漁協が大きさや色などを確認。

例年は9月29日が出荷解禁日ですが、今シーズンは生育が遅れていることから、解禁日を10月27日とすることが決まりました。

一方、地域によっては朗報も。

2024年は猛暑や台風により多くのカキが死滅した福岡県の糸島市。

この地域では2024年と比べ台風の影響が少なく、海水温に大きな変化がなかったため、例年以上に生育が進んだということです。

猛暑による海のミルクのピンチ。

今後、海水温が下がれば成長が期待できるということです。