倉敷市の川に設置された水門が老朽化して海水が流れ込み、コメや野菜の生育に被害が出ています。10月9日、倉敷市議会議長らが水門を管理する岡山県に早急な対応を求める意見書を提出しました。
これから旬を迎えるレンコン。倉敷市南部で多く栽培されています。そのレンコン畑がいま…。本来なら青々としているはずの葉がすっかり枯れて茶色くなっています。すぐ近くの田んぼでも収穫を迎えた稲はまばら。
(コメ農家は…)
「実が付いていない。この時季は穂先が倒れていないといけない。さっぱりですわ」
原因は近くを流れる里見川に設置された昭和水門の老朽化。岡山県が、防災や海水の流れ込み防止のため、1975年に設置・管理していますが、2025年6月、ゲートが完全に閉じない不具合が見つかりました。不具合はすぐに解消されたものの、その後の調査で海水の漏れを防ぐゴムも劣化していることがわかりました。
県が8月に里見川の塩分濃度を調査したところ、農業用水の基準の最大96倍の濃度であることが確認されました。
9日は倉敷市議会の荒木竜二議長ら3人が県庁を訪れ、早急な対策を求める意見書を県と県議会に提出しました。速やかな現状把握や農家などへの支援策の検討・実施、十分な排水機能を備えた施設を新しく作ることなどを要望しています。
(倉敷市議会 荒木竜二議長)
「(県は)ゲートの適切な管理ができていなかった。まずは補償してもらうこと。塩水が抜けるのは時間がかかるので今後の課題」
(岡山県 尾松智 土木部長)
「まずは被害の実態や原因をしっかり究明する。それを踏まえた上で適切に対応していく」
意見書では過去にも3回、海水の逆流があり、住民に不安が広がっているとしています。県は原因究明と大規模な修理に向けた準備を進めています。