自民党と公明党の連立政権は維持されるのでしょうか。

保守的な政治姿勢で知られる高市総裁に対し、公明党からは「連立離脱もあり得る」との声も出ています。

関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、「高市さんもブレブレに?」と題し、「石破総理は“ブレブレ・フラフラ”と批判されたが、連立与党を組んできた公明党からも批判される高市総裁は野党と公明党の意見を聞かざるを得ず、同じようなスタイルをせざるを得なくなる」と指摘しました。

またこうした中で、高市総裁が「靖国神社の秋の例大祭の期間中の参拝を、見送る方向で調整に入ったことがわかり、橋下氏はこれについて「保守派の議員は無責任」と批判しました。


■公明党が示した「3つの懸念」 連立離脱もあり得るとの声も

26年間にわたって自民党と連立を組んできた公明党。新総裁が決まった日、公明党の斉藤代表は「『3つの懸念』の解消なくして、連立政権はない」と高市総裁を牽制していました。

3つの懸念とは「裏金問題のけじめ」「歴史認識と靖国参拝」そして「外国人との共生問題」です。

そして7日午前、自民と公明の幹部を含めた会談が行われ、いわゆる“高市カラー”である「歴史認識と靖国参拝」「外国人との共生問題」の2つは「気持ちを共有できた」となりました。

ただ「裏金問題」に関してはまだ協議が必要ということで、連立継続の結論には至らなかったということです。

そして、高市総裁は靖国神社の秋の例大祭の期間中の参拝を、見送る方向で調整に入ったことがわかりました。

■「公明は自民党に付いていくか本気になって考えているのでは」

この状況について、橋下氏は「公明党が最終的に連立政権に残る可能性はある」としながらも、「自民党に付いていくか本気になって考えているのでは」と話しました。

【橋下氏】「確かに公明党は、脅しめいたことを言っていたとしても、最後は(自民との)与党で落ち着く可能性はあるんですが、ただ与党に入るっていうのは『過半数政権』だから意味あるんです。

『少数与党』はポジションをもらっても、その政権が(野党との交渉で)“ブレブレ”になるので、公明党は今、どんどん支持者数を減らしていってますから、公明党はそこまで付いていくか、今本気になって(考えて)いるかなと思います」

■「石破さんのようにならなかったら結局は合意はとれなくなる」

さらに橋下氏は、高市総裁を「強い主張をする人でなかなか譲歩できない」と評しつつ、野党などの意見を受け入れ、「ブレている」と批判された石破総理のようにしないと、「合意は取れない」と指摘します。

【橋下氏】「高市さんは、少数与党ですから本来だったら野党とも協議しないといけないのに、公明党からもこうやって突きつけられています。

石破政権って、ものすごく『ブレブレだ。フラフラしている』ということで、非常に批判を受けていましたけれども、高市さんは野党だけじゃなくて、与党からも批判を受けている。

高市さんみたいに、強い主張をする人は、なかなか譲歩できないんです。特に強い主張する人は、強い主張をする人の、特定の支持者に向けて譲歩する姿勢っていうのを見せられないので、石破さんのようにはなれない。

でも石破さんのようにならなかったら結局は合意はとれなくなる」

■靖国参拝秋の例大祭中は見送りか 橋下氏「どんどん修正していかざるを得ない」

そして靖国参拝について「秋の例大祭中の参拝を見送る方向で調整している」ということについて…

【青木源太キャスター】「靖国問題に関しては、今回ちょっと譲歩したわけですよね?」

【橋下氏】「高市さんと僕は、歴史認識や特に靖国問題は、過去にテレビ番組で相当意見をぶつけ合いました。何回確認しても、『必ず総理になっても行く』って言ってたんですよ。

言っていたけれど、今こうなっているということは、そこまでこだわりのある靖国問題も方針変更するということは、高市さんはいろいろなことを言っていたけれども、野党から言われ、公明党から言われ、どんどん修正していかざるを得なくなってくるんじゃないでしょうか」

■「石破政権の“あのスタイル”をやらざるを得ない」

【橋下氏】まず公明党との関係をしっかり固めないと、国民民主であろうが、維新であろうが、1つの政党が賛成しても、公明党が離れていってしまったらまた過半数にならないんですよね。

僕が何回聞いても、高市さんは『総理になっても靖国に行く。中国・韓国の声なんか気にしない』と。

それは一部のそういった支持者に向けてのメッセージだと思うんですけど、そこを断ち切れなかったら、これからの政権運営は大変なことになると思うんで。

(政権運営には)必ず野党の言うことも聞かないといけない、公明党の言うことを聞かないといけないわけだから、石破政権の“あのスタイル”をやらざるを得なくなってくるんですよ」

■高市総裁が公明党を「切れないと思います」と橋下氏

【青木キャスター】「場合によっては高市さん側から公明党との連立を切って進むというプランもあると思いますが?」

【橋下氏】「切れないと思います。切ってしまうと、国民と維新の両方に同意を得ないといけないとなると大変ですから。

要は『石破さんのスタイルにならざるを得ない』っていうことを高市さんが認めるかどうかですよ」

■橋下氏「靖国問題は『保守』を名乗る国会議員が無責任過ぎますよ」

さらに橋下氏は、高市総裁の靖国神社参拝を巡って、“保守派”と言われる議員たちについて「無責任だ」と持論を展開し批判しました。

【橋下氏】「靖国問題は、『保守』を名乗る国会議員が無責任過ぎますよ。(高市総裁が)『靖国行かない』ってなったら、保守派の人たちは『靖国参拝そんな軽く考えてたの』と。

『総理になっても、行かないといけない』と言っていたのに、『行かない』ってなっても、“保守強硬派”の人たちは、今何も言わないじゃないですか。

僕は総理に行ってもらわないといけない、天皇陛下にもご親拝していただきたいという思いで、『軍事指導者は(靖国神社から)分ける』『政治的に分祀』ということをずっと言っているんだけど。

そういう批判を受けるようなことは言わずに、『行く、行く』しか言わずに、結局行かないっていう、政治家のスタイルは、僕はちょっと納得いかないですけどもね」

(Q.分祀はできないという意見もあるが?)
【橋下氏】「神道的にはできないです。でも“政治的な分祀”は、物理的な社を分けるとか、それはいろいろな知恵・工夫のやり方であります。

一般兵士に手を合わすっていうのは、中国も韓国も認めてくれるんです。あとは軍事指導者に手を合わすかどうかっていうところが問題点になっているんだけど。

保守の人たちはそういうことを抜きにして、『とにかく行け、行け』で、高市さんが今回『行かない』となっても黙っている。これは無責任だと思いますけどね」

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年10月8日放送)

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