菊池郡菊陽町に進出したTSMCの第1工場が本格稼働したあと、処理した排水が流れ込む坪井川で濃度が上昇した有機フッ素化合物についてです。県が独自に行っているその後の調査で有機フッ素化合物の濃度が減少していることが分かりました。
これは、8日の熊本県環境モニタリング委員会で県が明らかにしたものです。
県は、TSMCの第1工場が本格稼働した前後で周辺の環境への影響を調べるため、水質汚濁防止法が定める物質に加え、法律の規制外となっている有機フッ素化合物など1万種類以上の物質を調べています。
前回の委員会では工場の本格稼働後、初めての調査結果を公表。
規制外の物質について工場の排水を処理して流す坪井川で有機フッ素化合物の一種、PFBSとPFBAの濃度が本格稼働の前と比べ高くなったとしました。
その一方で県は、アメリカやドイツが定めている飲料水の目標値と比べてもかなり低い濃度だと説明していました。
8日の委員会では工場の稼働後、ことし2月の調査で1リットル当たり139ナノグラムだったPFBSが7月の調査で20ナノグラムに減少。
また、PFBAも39ナノグラムから24ナノグラムに減ったことが報告されました。
【県環境モニタリング委員会 篠原 亮太委員長】
(熊本県立大学名誉教授)
「総合的に見て大気も水もこのままの状況で推移すれば全然問題ない、安心できるのではないか。県民の皆さんにも安心してもらえると思う」
県はことし6月、熊本北部浄化センターに排水を流している半導体製造などの事業者8社に対し、PFBSとPFBAの使用状況などを調査。
県によりますと複数の事業者の排水にこの2つの物質が含まれることを確認したほか、一部の事業者がこれらの物質を処理する新たな設備を稼働させていることも分かったということです。