最大瞬間風速70メートルが予想されている台風22号が、伊豆諸島に接近している。8日午後、気象庁が八丈島と青ヶ島に暴風と波浪の特別警報を発表した。

9日にかけ伊豆諸島直撃か

台風が近づいている東京・八丈島の海岸には白波が立ち、漁港では台風に備え、船をロープで固定する作業が進められていた。

八丈島では普段以上の対策
八丈島では普段以上の対策
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勢力が大きいため、普段以上の対策をとっていた。

非常に強い勢力で日本の南の海上を北上
非常に強い勢力で日本の南の海上を北上

非常に強い勢力で日本の南の海上を北上している台風22号。
最新の進路予想では勢力を保ったまま、9日にかけて伊豆諸島に直撃する見込みだ。

気象庁 大気海洋部予報課長・立原秀一氏:
これまでに経験したことのないような暴風・高波の恐れがあります。

暴風と波浪の特別警報が出された最大瞬間風速70メートルは、一部の住宅が倒壊する恐れもあるほどの強ささ。

気象庁は、強い風が吹き始める前に自治体からの情報などを確認して早めに避難するなど、最大級の警戒を呼びかけている。

瞬間風速70メートルの台風とは

瞬間風速70メートルの台風とは、どのような影響を及ぼすのか。

50年前の1975年、過去最大の最大瞬間風速67.8メートルの台風が八丈島を直撃したあとの映像を見ると、暴風の影響で屋根は吹き飛び、吹き抜け状態になっていた。
周囲には木材や窓が散乱し、積み重なっていた。

電柱は根元から折れて倒壊(1975年10月、八丈島)
電柱は根元から折れて倒壊(1975年10月、八丈島)

街では車が横転し、電柱は根元から折れ倒壊していた。
信号機も傾き機能せず、ライフラインにも影響を及ぼした。

2018年9月の台風21号では高波により関西国際空港の連絡橋にタンカーが衝突
2018年9月の台風21号では高波により関西国際空港の連絡橋にタンカーが衝突

近年では2018年9月に近畿地方を縦断した台風21号により、関西国際空港では最大瞬間風速58.1メートルを観測した。

猛烈な風が吹き荒れ、高波によりタンカーが連絡橋に衝突するなど大きな被害が出た。

2019年の台風15号では千葉・市原市でゴルフ練習場の鉄製の支柱が倒壊
2019年の台風15号では千葉・市原市でゴルフ練習場の鉄製の支柱が倒壊

さらに翌年の台風15号では、千葉市の最大瞬間風速57.5メートルを観測した。

千葉・市原市の住宅街では、ゴルフ練習場の鉄製の支柱が根元から曲がり倒壊し、近隣の家屋を直撃した。

暴風による住宅被害は7万5000棟を超え、長期にわたる大規模停電も発生した。

線状降水帯発生の恐れも

現在接近中の台風22号は、最大瞬間風速70メートルのため、同様の被害が起きる恐れもあり、警戒が必要だ。

台風が近づく八丈島のホテルでは、強風でホテルの窓ガラスが割れないよう車8台を置き、暴風に対するバリケードを作っていた。

また、八丈島のスーパーでは食料を備える人の姿があった。

買い物客は「しばらく船便も空の便も止まるので、ある程度見繕って買い物しておかないと冷蔵庫が空になっちゃう」と話し、陳列棚はほとんど商品がなくなった状態だった。

このあと伊豆諸島では、暴風だけでなく線状降水帯が発生する恐れもあり、厳重な警戒が必要だ。
(「イット!」10月8日放送より)