秋田市は空席となっている副市長に前副知事の猿田和三氏を起用する方針を固めています。人事案を開会中の9月議会に提出することを10月7日付で市議会の各会派に内示しましたが、具体的に誰を充てるかは明言されず、議員からは不信感を抱く声が上がりました。
秋田市の副市長は、条例で2人と定められていますが、2025年6月末で1人が退任し、現在は柿崎武彦氏が単独で務めています。
複数の関係者によりますと、秋田市は前の副知事で2025年4月の県知事選に立候補し落選した猿田和三氏を副市長に充てる人事案を市議会の一部議員に示しています。
市は10月7日付で、開会中の9月議会に副市長の人事案を提出することを市議会の各会派に内示しました。
しかし、誰を充てるのか正式に示されず、8日に開かれた議会運営委員会で議員は当局側への不信感をあらわにしていました。
秋田市議会運営委員会・工藤潤平副委員長:
「人事案を出して一発採決というやり方はどうなのかなと正直思う。全く会派会議も行われないまま猶予を与えずパワープレーのような形に見える。こういうやり方をずっと続けるようであれば当局側への信頼がない」
秋田市議会運営委員会・飯牟礼克年委員:
「当局側はどういう魂胆で一部の会派にしか市長から報告しなかったのか疑問がある」
議員の意見に対して秋田市総務部の多可和幸部長は「電話でできる話でもないので、直接会って話すという物理的な制約もあって、結果的にこういう形になったのではないかと考えている」と述べた上で、「一部の議員に示した副市長の人事案は正式な通知ではない。人事案は議会提出の当日に具体的な内容を提示するのが通例」と説明しました。
市は9月議会最終日の10日に副市長の人事案を提案します。
(※柿崎武彦副市長の「崎」は「たつさき」)