2021~2025年の1~9月に秋田県内で発生した人身事故のうち、65歳以上の高齢者が車を運転して起こした事故の割合を見ると、2021年は29.5%ですが、2025年は35.8%で、割合は増加傾向にあります。

また、2020~2025年9月末までに県内の高齢者が免許を返納した件数の推移を見ると、2020年は4048件でしたが、その後は減少傾向となっています。

運転に不安を感じる高齢ドライバーは、免許を自主的に返納することができますが、県内で生活するためには自動車が欠かせないというのも現状です。

こうした状況を受け、高齢者に安全な運転を続けてもらおうと、秋田市の中学生が自動車の安全な技術をドライバーに紹介するイベントが8日、秋田市で行われました。

イベントは、自動車メーカー大手のスズキが企画しました。

8日は、秋田大学教育文化学部附属中学校の3年生4人が、自動車に搭載された最新の安全技術を参加者に紹介しました。

生徒たちははじめに、ブレーキのサポートやふらつきを認識する機能などのシステムの仕組みを説明しました。

続いて、生徒たちが手作りしたターゲットを用いて、自動ブレーキを体験しました。時速約20キロで走行し、ブレーキを踏まなくても車が止まるか試しました。

体験した生徒は、ブレーキの効果に驚いていました。自動ブレーキは、走行中の追突だけではなく、誤ってアクセルを踏んだ際の発進の防止にも役立ちます。

参加した中学生は「秋田は他県と比べても少子高齢化が進んでいて、高齢者が起こしている交通事故も多くニュースで見ているため、探究活動のテーマに選んだ」「県民の皆さんには、心の中に『安全に運転するぞ』という気持ちを常にとどめながら生活してほしい」と呼びかけ、学習への意欲を語りました。

秋田スズキ・石黒佐太朗社長:
「地域の中学生の皆さんが企業と一緒に課題を見つけて解決するという取り組みということで、喜んで引き受けた。シニアのドライバーに『意外と車も安全だ』と思ってほしいが、機能を過信せずにうまく使ってもらえればと思う」

生徒たちは、10月25日に学校で学習の成果を発表します。

秋田テレビ
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