沖縄県議会は8日「自衛隊員などに対する差別的な風潮を改める」などとする決議を賛成多数で可決しました。

決議では「県民に対して理解や協力を求める」としていて与党は「思想や良心の自由への介入だ」などと批判しています。

県議会の野党会派は先月の沖縄全島エイサーまつりに陸上自衛隊の出演を取りやめるよう市民団体が抗議した事などを問題視し、当初「職業差別を許さない」とする決議案の提出を検討していましたが与党が強く反対したほか中立の公明党会派も難色を示していました。

8日の本会議では自民党・無所属の会と公明党会派が「自衛隊および隊員やその家族に対する差別的な風潮を改める」などとする決議案を提出しました。


自民党・無所属の会宮里洋史県議:
防衛政策への批判や抗議、意見表明は民主主義社会において当然のことであり、表現の自由として尊重されるべきである。しかし、その表現の自由により「自衛隊員である」という理由で社会参加の機会が奪われ、隊員や家族の尊厳が傷つけられることがあってはならない

公明党・糸数昌洋県議:
自衛隊の地域行事参加の抗議を差別と断じて許さないという主旨になっているので、抗議は表現の自由ですから、抗議に対する決議ではなくて、むしろ理解と協力を求める決議に変更いただいた

これに対し与党会派は、防衛政策や自衛隊の増強に市民が批判や抗議する事を委縮させるものだと批判しました。

てぃーだ平和ネット幸喜愛県議:
表現の自由を尊重すると言いながら、県民の側に理解と協力を求めるという方向づけを公権力で行う事がまさに思想・良心の自由への介入に他なりません。県議会が一方の立場を理解せよと呼びかける時点で意見表明の自由を実質的に制約する効果を持ちます

無所属会派の2人が退席して採決が行われ決議案は賛成多数で可決されました。

一方、与党は自衛隊への抗議活動を「妨害」などと発言した中谷防衛大臣に謝罪などを求める与党の意見書案を提出しましたが賛成少数で否決されました。

沖縄テレビ
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